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『サンドのお風呂いただきます』 温泉地で見る家族愛

2019/7/12

サンドウィッチマンと芸人ゲストが日本全国の温泉地を訪れて、その土地に住む一般家庭の風呂に入らせてもらう、NHKの『サンドのお風呂いただきます』。風呂を通して家族の思い出話や、たどってきた人生の秘話などが明かされる。昨年3回の特番を経て今年4月からレギュラー放送が始まった。

『サンドのお風呂いただきます』 温泉地を訪れ家庭の風呂に入らせてもらう家族愛に触れる新しいロケバラエティー。サンドウィッチマンと芸人ゲストが家庭の風呂に入れてもらう。語りは水曜日のカンパネラのコムアイ。水曜日のカンパネラの曲『ディアブロ』の一節「いい湯だね、いい湯だねー」は番組でおなじみ。伊達似のアヒル「ダヒル」は取材先にも好評とのこと(水曜20時15分/NHK総合)

企画のヒントは、特番『日本の異国にホームステイ!』(2017年)だった、と制作統括の北川朗氏は振り返る。芸人が名古屋の在留フィリピン人宅に泊めてもらう内容。「市井の人の人生を垣間見ることができたら、何より人の心を温めるんじゃないかという思いで作った番組でした。それがギャラクシー賞の月間賞に選ばれたんです。ただ、広げるのが難しく、どうしようかと考えている時に出てきたのが“お風呂”でした。お風呂だったら全員入るし、日本人はみんな好きだしということで」(北川氏)

温泉地を選んでいるのは、全国を回りたいという目的と、最初に興味を持ってもらうため。「温泉地って3千カ所近くあるんですよ。実際に湯けむり文化がある所のほうが、お風呂の入り方も『へー』と思うことが多かったりもします」

これまで「元住職の作法もこだわるヒノキ風呂」など、地域の魅力と共にユニークな風呂を紹介してきた。苦労しているのは下調べ。「人づてに足で稼ぐしかない。お風呂を見せてくださいとお願いして、1度OKをいただいても、ご家族が嫌がってダメになることも多いです。1回のロケで3~4軒回っています。こだわりのあるお風呂であることと、家族の形や物語が見えることを基準に選んでいます」

サンドウィッチマン(右が富澤たけし、左が伊達みきお)

ロケが上手なこと、人を傷つけない笑いであること、そして幅広い年代の人に受け入れられそうという理由で、サンドウィッチマンに出演を依頼した。「あとは単純に、入浴姿が似合うなとも思いました(笑)。サンドさんは一緒に作っている感じが強いです。一般の方にも優しくて丁寧だし、軸になる話もちゃんと聞き出してくれます」

始めてみて分かったのは、風呂に入る行為は思った以上に一般の人との距離を縮め、上がった後は家族の人たちがよくしゃべるようになること。芸人にも刺激になるようで「普段、バラエティーでお風呂が舞台になることってあまりないからか、何かしなきゃとちょっと考えているフシがあるんです。そのご家庭でのお風呂の作法を習って、人生をお聞きしてほしいとだけ伝えているのですが。『何なんだこれは』と思うような面白いことをやってくれます(笑)」

特に見てほしいのは30~50代とファミリー層。「夫婦や親子の絆など、愛情のある話が出てきます。20時台の約30分番組なので、親子で見るのにもちょうどいいはず。心が柔らかく、優しくなれる番組を目指します」

(日経エンタテインメント!6月号の記事を再構成 文/内藤悦子)

[日経MJ2019年6月28日付]

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