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「老後2000万円」は余裕の原資 年金の誤解を解く 「老後に2000万円」をマネーハック(1)

2019/7/1

65歳の女性の平均余命が24年であることを踏まえ概算すると、年金は5500万円を超える収入源となります。信じられないかもしれませんが、20年以上にわたり年金を受け取り続ければ、家一軒買える以上の金額を私たちはもらうことになるのです。年金が老後の主たる財源であることは、これからも変わることはないでしょう。

また、そもそも公的年金は老後の全てをまかなうものではありません。そのような時代は過去一度もあったためしがありません。公的年金が確立されるまでは子にすべて扶養してもらう時代が長く続きました。

すると、今回の指摘は「誰も教えてくれないお金の常識」をはっきりさせただけのように思います。つまり「退職金に加えてプラスアルファのお金を多くためておいた人のほうが、リタイア後ラクに暮らせるよ」という事実です。

■老後の「生きがい」「ゆとり」のため

ほとんどの年金生活者は「公的年金収入」と「日常生活費」がほぼ等しくなるように家計をコントロールします。隔月で振り込まれる安定収入以上に生活費を使うのは誰でも不安だからです。

先ほど紹介した報告書における収支状況は総務省の家計調査年報(2017年)を踏まえたものですが、収入が月20.9万円(公的年金以外の収入を含む)で、日常生活費にかかる支出が月21.1万円と、ほぼ同じ額になっています。

では、月5.5万円(=26.4万円-20.9万円)の取り崩しは主に何に用いられているのでしょうか。それは「教養娯楽費」と「交際費」です。これらの合計が月5.2万円であり、毎月の不足額とほぼ等しくなります(支出の合計額が一致しないのは端数処理のため)。

つまり、私たちは老後に食事をする余裕もなくなるから2000万円をためるのではありません。むしろ、映画を見たり、美術展に出かけたり、時々旅行に出かけたり、孫にプレゼントをするような「生きがい」や「ゆとり」のために2000万円を使うのです。

これらは食費や日用品費、被服費ではなく、日常生活費ではありません。だから切り詰めることもできます。しかし、せっかくの長いセカンドライフですから、できれば生きがいを感じられる生活にするためにお金を使いたいものです。2000万円あれば、そうした楽しみにお金を回すことができるというわけです。

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