「老後2000万円」は余裕の原資 年金の誤解を解く「老後に2000万円」をマネーハック(1)

写真はイメージ=123RF
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今月のマネーハックは「老後に2000万円」をテーマに取り上げます。たった1カ月ちょっとで、国民のほとんど全員が知っているキーフレーズとなりました。しかしこれまでの様子を見ると、「誤解」が多いようです。

大騒ぎになった「老後に2000万円」問題

今回の「老後に2000万円」問題の発端は、金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書です。国が老後の自助努力を促すものとの報道をはじめメディアで数多く取り上げられ、多くの政治家や有識者らが見解を語りました。さらに、国民もインターネット上でたくさんの意見を述べることとなりました。

喫茶店で仕事をしていると、隣のグループが「老後に2000万円」と話をしていますし、ファミリーレストランや居酒屋でも「2000万円」という言葉がよく聞こえてきます。

議論が深まるのならとてもいいことですが、残念なことに誤解や不信に基づくミスリードな発言やコメントが少なくない印象です。いまだに不信感が解消されていない人もいるようです。

そこで今回は「老後に2000万円」で誤解されている点を指摘し、あなたの将来のために老後資産に対する理解を深めてほしいと思います。

公的年金は破綻しない、老後の主たる収入源

今回の話で、「国の責任放棄だ」「年金がもらえないのか」といった批判がありますが、それらはおおむね間違いです。

なぜなら、公的年金はまず破綻しないからです。今回の報告書もそうした指摘をしたものではありません。給付水準は引き下げられますが、それによりむしろ破綻リスクは回避されます。また平均寿命の延びを勘案すれば「毎月もらう分が減っても、長く受け取る」ことになるので、そうそう不利益な話ばかりではありません。

老後の収入のほとんどを年金が占めています。現状、年金生活している高齢夫婦(夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職世帯)が使っている費用が月26.4万円のところ、公的年金など社会保障からの収入は19.2万円です。

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