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世界の半導体大手で実力発揮 原動力は日本流営業術 レノボ・ジャパン デビット・ベネット社長(下)

2019/7/2

■「日本品質」が転職の決め手に

奮闘の甲斐あって、12年の第4四半期から1年間にHPの北米向けパソコンでのAMD搭載率は70%超に、またヨーロッパ・中東・アフリカ向けでは50%超のシェアを獲得した。

その実績を評価され、13年11月からはAMD本社でバイスプレジデントとなり、日本とアジア大洋州地域のゼネラルマネジャーに就いた。14年12月からの1年余りはシンガポールに駐在し、全世界のコマーシャル・セールス部門を束ねる責任者も務めた。

その間、世界のパソコン市場は激変していた。米国や日本のトップメーカーの勢いは衰え、台湾や中国のメーカーがブランド力を高めていった。後にベネット氏が移籍することになるレノボもその一つだ。

NECパーソナルコンピュータがレノボ・グループ内にあるのが転職の決め手になったという。ベネット氏は「世界のパソコン市場で勢力図が変わっても、日本製の品質が高いことは世界でも有名です。生産の技術でも、使っている素材でも、ものづくりのクオリティーでも、どれを取っても最高水準にある」と強調する。

現在はNECの持つ生産技術などをレノボ・グループに広げることにも力を入れている。「中国の生産技術者がNECパーソナルコンピュータの米沢事業場(山形県米沢市)で研修を受けて帰国すると、やはり明らかに不良品率が下がり、顧客満足度が高まっていくというデータが出ます。今はそれが中国から東南アジアやインドなどにも広がっているんです」。

米沢で研修を受けたレノボの技術者は、「米沢研修経験者」を示すワッペンを胸につけ、誇らしげにしているという。ものづくりやカイゼンの力だけでなく、商品の企画力、開発力などでも「NECパーソナルコンピュータの力は世界でもっと受け入れられる自信がある」とも主張する。

2020年から必須となるプログラミング教育への取り組みに熱意を示す

日本国内では今、教育分野で使われるパソコンの開発に注力している。学校ではプログラミング教育が20年から必修化されるが、「日本ではまだ『1人1台』が実現していません。価格の問題もありますが、普及しやすく、学びやすいパソコンをどう作って世に出すか。国内パソコン業界リーダーとして、レノボ・NEC連合がやらないで誰がやるのか、と思って取り組んでいます」。

かつて、日本古典文学の研究を追求する教授になりたかったというベネット氏にとって、子供のころから慣れ親しんできたプログラミングやパソコンの世界と、教育が結びつく分野でもあるのだろう。18年12月からは山形大学でも客員教授を務めている。ベネット氏は「教育市場には改革が必要な時期だと思う。レノボ・ジャパンとしては、よい意味で破壊的な役割を果たしたい。低価格パソコンなどを投入して健全な競争を起こし、最終的に日本の教育でIT化が広がるのなら、教育関係者にも子供たちにも、そして我々にとっても良いことになる」と信じて、新しい製品づくりにチャレンジしている。

(ライター 三河主門)

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