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ビジネスに効く「文庫」はこれだ!

スタバを勝たせた映像解析とは 文庫で親しむ科学思考 第3回 サイエンス本

2019/6/29

営業をやっていると、1位の商品と2位以下の商品に大きな品質の差があり、「これがベスト」という一択のケースがあると思う。たとえその場合でも、選択肢はあった方がいいのだ。選択肢を減らすこと、分類することが顧客サービスにつながり、売り上げをもたらすことがあるのだ。

■「うっかり事故」を減らす科学的根拠

ハーブ・コーエン著、川勝久訳『FBIアカデミーで教える心理交渉術』

次に紹介したいのは、「交渉のハーバード」を経て米連邦捜査局(FBI)の「FBIアカデミー」で「交渉学」を教える交渉のプロ、ハーブ・コーエンが説く、『FBIアカデミーで教える心理交渉術』。

全米160万部を突破したベストセラーで、内容は極めて具体的かつ実践的。今すぐビジネスや買い物で使える交渉テクニック、具体的なセリフが紹介されている。

自分の「期限」を明らかにしないこと、欲しがらないこと、「もしも」という言葉を使うこと……。

こんな相手が買い手だったら苦戦することは間違いない。

失敗に関係するサイエンスも紹介しておきたい。『錯覚の科学』は、チェス王者たちの認知メカニズムを研究している心理学者のクリストファー・チャブリスと、同じく心理学者のダニエル・シモンズによる、錯覚に関する論考。

クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著、木村博江訳『錯覚の科学』

ヒューマンエラーに関して重要な「見えないゴリラ」の実験を行った2人の共著で、いかにわれわれの認識能力が限定的かを教えてくれる内容だ。

バスケットボールの試合のビデオを見て、パスの回数を数えてもらうよう指示された実験者は、およそ半数がゴリラの着ぐるみを着た女子学生に気づかない。このゴリラの登場時間が9秒。カメラに向かって胸をたたくシーンもあったのに、だ。

本書には、こういった「錯覚」の事例がいくつも登場し、人間の認識の限界を知らしめてくれる。うっかり事故をなくすために、判断を誤らないために、読んでおきたい一冊だ。

■恐怖にひるまず、あくまで数字

最後に、1回目の「教養」ジャンルでも紹介した文庫本をサイエンス思考で経営するための新刊としてもオススメしたい。サイゼリヤ創業者、正垣泰彦さんが書いた、『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない  売れているのがおいしい料理だ』は、東京理科大学出身の著者が書いた、理系思考の経営本。

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