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ヒットを狙え

最新技術で名建築を復元 大丸心斎橋店本館が9月開店

日経クロストレンド

2019/7/11

2019年9月20日グランドオープンする大丸心斎橋店本館。外壁は米国出身の建築家ヴォーリズの名建築を最新技術で保存、復元。高層部は外壁と調和するデザインになっている
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J.フロント リテイリングは「大丸心斎橋店本館」の開店日を2019年9月20日と発表した。約380億円を投じて歴史的価値の高い建物の保存、再現も実施し、3年半の歳月を経て新たな百貨店に生まれ変わる。

新本館は地上11階・地下3階建てで、延べ床面積約6万6000平方メートル。最新技術によって外壁デザインを復元しつつ、高層部分をセットバックすることで広さは建て替え前の約1.3倍になる。店舗フロアは地下2階~地上10階で、食品、ファッション、コスメティック、雑貨、エンターテインメント、レストランで構成。関西初出店37店舗、新業態50店舗を含む370店舗が出店する。

ストアコンセプトは「世界が憧れる、心斎橋へ」。J.フロント リテイリングの山本良一社長は、「心斎橋店によって次の世代と世界に通用する百貨店の進化形を示していきたい」と意気込みを語るとともに、今後も心斎橋周辺の開発に投資することを明らかにした。

注目すべきはGINZA SIX(ギンザシックス)のビジネスモデルを導入している点だ。17年4月、松坂屋銀座店の跡地に4社連合によるラグジュアリーモールとしてオープンしたGINZA SIXは、初年度の年間来館者数約2000万人、テナントの総売上高約600億円を達成。売り場すべてをテナントで構成する不動産事業のビジネスモデルを採用している。いわゆる定期賃貸借契約による家賃収入を収益としているわけだ。消化仕入れと買い取りが慣習となり、収益性が低下した百貨店業態の構造脱却が狙いだった。

心斎橋店でも地下2~地下1階と4~10階の9フロア、売り場全体の約65%を定借契約にする。そのメリットについて「内装デザインなどの制約がなくなり、ブランドの世界観を発揮してもらえ、ここでしか体験できない特別感のある空間を創出できる」と大丸松坂屋百貨店の好本達也社長は話す。

GINZA SIXと異なるのは、百貨店の取引形態と組み合わせたハイブリッド型であること。売り上げ比率の高い1~3階の化粧品、ラグジュアリーファッション、宝飾・時計売り場では従来通りの契約を踏襲し、さらなる収益拡大を狙う。外商やポイントカードなどのサービスを提供し、契約形態は違っても顧客にはシームレスに買い物を楽しんでもらう仕組みを取り入れているという。

フロアは地下2階がフードホール、地下1階が食品と婦人洋品雑貨、1階がコスメティックとアクセサリー、2~3階がラグジュアリーファッション、4~6階がファッション、7階が心斎橋テラス(仮称)、8階がライフスタイル、9階がエンターテインメント、10階がレストランで構成。婦人服、紳士服など従来のカテゴリー分けにこだわらない売り場編集と、アートとの融合もGINZA SIX流だ。

「百貨店の分類体系を壊し、ライフスタイルを重視する今の時代に対応することで、顧客に寄り添う店作りを行う」と山本社長。その実現に向け、ビジネスモデルそのものを抜本的に見直した。

大丸心斎橋が掲げる「5つのフィロソフィ」の1つ「地域とともに、シビックプライドの向上・復権をめざす」を具現化した7階の心斎橋テラス(仮称)。テラスの環境をフロアに引き込み、癒やしの空間に(画像提供:J.フロントリテイリング)

■インバウンドと地元客に照準

同店の18年度の免税売上高は、台風などの影響があったにもかかわらず、前年比22.5%増と大きく伸びた。免税売上比率35.3%という数字が、訪日外国人客の多さを物語っている。外商顧客も多く、化粧品とラグジュアリーは同店の大きな収益の柱になっている。そこで得意部門をさらに強化するため、売り場面積、ブランド数ともに大幅に拡充した。ラグジュアリーフロアにはホームコレクションまで含めた複合店舗やキッチン併設のVIPルームも設置する。

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