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最新技術で名建築を復元 大丸心斎橋店本館が9月開店

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日経クロストレンド

J.フロント リテイリングは「大丸心斎橋店本館」の開店日を2019年9月20日と発表した。約380億円を投じて歴史的価値の高い建物の保存、再現も実施し、3年半の歳月を経て新たな百貨店に生まれ変わる。

新本館は地上11階・地下3階建てで、延べ床面積約6万6000平方メートル。最新技術によって外壁デザインを復元しつつ、高層部分をセットバックすることで広さは建て替え前の約1.3倍になる。店舗フロアは地下2階~地上10階で、食品、ファッション、コスメティック、雑貨、エンターテインメント、レストランで構成。関西初出店37店舗、新業態50店舗を含む370店舗が出店する。

ストアコンセプトは「世界が憧れる、心斎橋へ」。J.フロント リテイリングの山本良一社長は、「心斎橋店によって次の世代と世界に通用する百貨店の進化形を示していきたい」と意気込みを語るとともに、今後も心斎橋周辺の開発に投資することを明らかにした。

注目すべきはGINZA SIX(ギンザシックス)のビジネスモデルを導入している点だ。17年4月、松坂屋銀座店の跡地に4社連合によるラグジュアリーモールとしてオープンしたGINZA SIXは、初年度の年間来館者数約2000万人、テナントの総売上高約600億円を達成。売り場すべてをテナントで構成する不動産事業のビジネスモデルを採用している。いわゆる定期賃貸借契約による家賃収入を収益としているわけだ。消化仕入れと買い取りが慣習となり、収益性が低下した百貨店業態の構造脱却が狙いだった。

心斎橋店でも地下2~地下1階と4~10階の9フロア、売り場全体の約65%を定借契約にする。そのメリットについて「内装デザインなどの制約がなくなり、ブランドの世界観を発揮してもらえ、ここでしか体験できない特別感のある空間を創出できる」と大丸松坂屋百貨店の好本達也社長は話す。

GINZA SIXと異なるのは、百貨店の取引形態と組み合わせたハイブリッド型であること。売り上げ比率の高い1~3階の化粧品、ラグジュアリーファッション、宝飾・時計売り場では従来通りの契約を踏襲し、さらなる収益拡大を狙う。外商やポイントカードなどのサービスを提供し、契約形態は違っても顧客にはシームレスに買い物を楽しんでもらう仕組みを取り入れているという。

フロアは地下2階がフードホール、地下1階が食品と婦人洋品雑貨、1階がコスメティックとアクセサリー、2~3階がラグジュアリーファッション、4~6階がファッション、7階が心斎橋テラス(仮称)、8階がライフスタイル、9階がエンターテインメント、10階がレストランで構成。婦人服、紳士服など従来のカテゴリー分けにこだわらない売り場編集と、アートとの融合もGINZA SIX流だ。

「百貨店の分類体系を壊し、ライフスタイルを重視する今の時代に対応することで、顧客に寄り添う店作りを行う」と山本社長。その実現に向け、ビジネスモデルそのものを抜本的に見直した。

インバウンドと地元客に照準

同店の18年度の免税売上高は、台風などの影響があったにもかかわらず、前年比22.5%増と大きく伸びた。免税売上比率35.3%という数字が、訪日外国人客の多さを物語っている。外商顧客も多く、化粧品とラグジュアリーは同店の大きな収益の柱になっている。そこで得意部門をさらに強化するため、売り場面積、ブランド数ともに大幅に拡充した。ラグジュアリーフロアにはホームコレクションまで含めた複合店舗やキッチン併設のVIPルームも設置する。

インバウンドを意識した9階のエンターテインメントゾーンも見逃せない。「ポケモンセンターオーサカDX&ポケモンカフェ」と「ジャンプショップ」に加え、フィギュアの造形企画製作会社として名高い海洋堂とタリーズのコラボショップも登場。日本のポップカルチャーをグローバルに発信する拠点と位置付ける。計画では今後、新本館と北館をつなぐ大宝寺通りの上空部の増築が予定されており、9階フロアは両館一体でインバウンドセンターとなる予定だ。

顧客が手軽に店舗に通える足元商圏に関しては、心斎橋エリアはこの5年で人口が10%以上増加。特に生活感度の高い住人が多く、地元客の取り込みも重要になっている。ラグジュアリーフロアの富裕層向けVIPルームはもちろん、地元客が日常的に利用できる売り場を設けたのも新本館の大きな特徴だ。「心斎橋はアジアへと商圏を拡大し、リピーターが増えつつあるが、一方でローカリティーの強い大阪の文化の中心地であり、地元客に対応していくことも大切」(山本社長)。

具体的には7階に自然光と緑を取り込んだ長さ60メートルの憩いの空間「心斎橋テラス(仮称)」が登場する。心斎橋は緑とカフェが少なく、リラックスできる場が限られているという顧客の声に応えた。テラスから続くフロアには、1階のコスメとは別に自然由来の原料を使用したナチュラルコスメが集積。フランス発のボタニカルコスメブランド「クヴォン・デ・ミニム」やスウェーデン発のライフスタイルオーガニックブランド「ラ・ブルケット」などが関西初出店する。

百貨店クオリティーのフードホール登場

地元客のデイリーユースに対応し、地下の飲食・食品売り場も2倍に拡充。インパクトのある売り場作りで滞留時間を延ばす工夫を凝らしている。中でも地下2階のフードホールは、ニューヨークのホテルの空間演出を採用し、吹き抜けに有名アーティストの作品を展示するなど、上質感がありながらカジュアルに集える空間になるという。

イートインと共用席を合わせて約300席を用意。国内2店舗目のトリュフ専門店「アルティザン ドゥ ラ トリュフ パリ」をはじめ、ミシュランの1つ星を獲得した串揚げ料理専門店「あげもんや 六覺燈」、ソムリエやきき酒師が運営するバーなど、環境だけでなく味も百貨店クオリティーにこだわった。

デパ地下には、GINZA SIXでも展開しているスイーツ専門店「イシヤ」と「ホンミドウ」が関西初出店するほか、ハンバーガーの「シェイクシャック」とハウス食品が手がける総菜店も心斎橋初登場。出来たてをその場で食べられるようイートインスペースも充実させる。

今回のプロジェクトで地元の声を最も反映させたのは、心斎橋の象徴として長年親しまれてきたヴォーリズ建築の保存、再現に取り組んだことだろう。旧本館は米国出身の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが日本で手掛けた西洋建築だ。保存対象となった部材は全1254パーツ。そのうち68%に当たる849パーツの再利用を目標に設計が進められた。特に御堂筋側の外壁は最新技術で保存、再利用。意匠性の高い旧本館のエレベーターホールや天井の幾何学装飾など、ヴォーリズ建築の代名詞とされるアールデコの装飾は1階の内装部分で可能な限り再現されているという。歴史的価値のある建築と最新のデザインが融合した特別感のある空間は必見だ。

本館オープンを機に、世界的なデザインの祭典「ミラノ フォーリサローネ」とパートナーシップを結んだ新プロジェクト「オーサカ×ミラノ デザインリンク」もスタート。同店のみならず、心斎橋の街全体を盛り上げていく。「小売りの根幹が揺らいでいる今、リアル店舗でなければ得られない価値を確実に提供することで集客につなげていきたい」と大丸松坂屋百貨店の好本社長は意気込む。

(文・写真 橋長初代)

[日経クロストレンド 2019年6月17日の記事を再構成]

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