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本質思考を極める 実践トレーニング

思考のショートカット あなたが問題解決できない理由 (1)思考のショートカット

2019/7/2

画像はイメージ =PIXTA

「本質的な問題解決を妨げる9つのワナがある」。長くコンサルティングファームでマネージングディレクターなどを務めた米澤創一・慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授はこう指摘する。9つのワナのうち、思考習慣や思考スキルの不足から陥りがちなワナ5つを、同氏の近著「本質思考トレーニング」(日本経済新聞出版社)から抜粋して紹介する。1回目は「思考のショートカット」というワナだ。

(2)不愉快な情報に目をつぶる 問題解決阻む認識のワナ >>

最も頻繁に登場し、本質的な問題解決を妨げるワナは「思考のショートカット」です。

簡単にいえば、深く考えることなく、問題の本質を決めつけたり、過去に経験した問題と同じだと思い込んでしまったりすることです。

問題の本質を誤解した上に、それに合っていそうな手近にある「答えらしきもの」を無理やり当てはめることは「思考のショートカット」の二段重ねといえます。

このワナにハマってしまうと、そもそも問題が何かを把握できなかったり、とろうとしている行為の目的を把握できなかったりするため、本質的な問題解決に至らないことが多いのです。

「思考のショートカット」に陥った際によく見られる症状の例を挙げてみたいと思います。

症状1
過去の成功体験にとらわれ、背景や前提条件が違うにもかかわらず、過去の問題と同じだと決めつけてしまう。また、結果として、過去の成功の際に使われた手段を無理やり当てはめてしまう。

ここには問題の本質や活動の真の目的を考えずに決めつけるということと、その結果、手段も誤ってしまうことの2つの問題があります。

時代が変わり、人々の生活スタイルが変わっているのにもかかわらず、上司が現場でバリバリやっていた高度経済成長期と同じ営業手法を強いられたり、自分が使っていないという理由でSNSを全く意識しないマーケティング手法をとろうとしたりするのも、このワナにハマったときに起こる症状です。

これだけ物事の変化が速い時代では、昨日はできなかったことが、技術革新によって今日は可能になっているということすら起こり得るのです。

どの組織にも、過去の成功体験があるため、物事がうまく進んでいない状態でも、それまでの方針を維持することが多く、どうしようもなくなるまで振り返りを行わない傾向があります。変化が大きく速い時代においては、過去の成功にとらわれ続けることは大きな失敗に繋がりかねません。

症状2
常識、通説、世論、権威などに惑わされ、一般的によく使われたり、標準といわれる方法をよく考えずに使ってしまったりする。

これは過去の成功事例にとらわれる症状と似ています。過去の成功体験の代わりに、世間一般によくいわれていることを深い考察なしに適用してしまうケースです。

少なくとも一般にいわれていることが、現在の自分のケースに当てはまるかどうかは考えるべきです。全てに対して万能の答えなどありません。

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