頼んだのに頼まれた? 日本人惑わすrequested fromデイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(4)request

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回はrequestという語を取り上げます。一緒に使われる前置詞のせいで間違って解釈してしまうことがあるので気をつけましょう。

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新しいプロジェクトが始動することになりました。多額の費用がかかり、外部の投資会社も絡むこのプロジェクトをめぐってスティーブとユウカが会話をしていますが、誰がいくら出資するのかについて、話がかみ合わなくなりました。どうやらある英語の意味の取り違えが発端だったようですが……。

それはこんな会話でした。

Steve: We need a lot of money for the new project, right?
Yuka: The one with XYZ Investment?
Steve: Yeah. I heard the money will be requested from them.
Yuka: No, nothing will be requested from them.
Steve: Oh...
Yuka: We need to ask them for money.
Steve: Hold on. I got confused!

日本語に訳すと次のようになります。

スティーブ:新規プロジェクトには多額のお金が要るんでしょう?
ユウカ:XYZ投資会社とのプロジェクトのこと?
スティーブ:そう。彼らに資金を頼むんだってね。
ユウカ:違うわよ。彼らにはまったく頼まないの。
スティーブ:えっと……。
ユウカ:私たちが彼らに資金をお願いするの。
スティーブ:ちょっと待って。訳がわからないよ!

requestという言葉は、曲の「リクエスト」などでおなじみで、日本人にもよく知られた英単語です。動詞として「頼む、要請する」の意味で使われます。ところが、この会話で行き違いが生じた原因は、スティーブの言ったI heard the money will be requested from them.の意図がうまくユウカに伝わらなかったことにあります。彼の発言を聞いて、ユウカはこれを「日本語の感覚」でとらえてしまったのです。そのとき、ユウカは心の中でこう思ったのでした。

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