BALLISTIK BOYZ 僕らにしかない武器はギャップ
EXILEを筆頭に様々な男性グループを抱える芸能プロダクションLDHから、令和時代の幕開けとともに新たなグループがデビューした。5月22日、グループ名を冠したアルバムをリリースしたBALLISTIK BOYZ(以下、BBZ)だ。メンバーは、現在23歳の日高竜太、22歳の加納嘉将、20歳の深堀未来、海沼流星、19歳の奥田力也、松井利樹、そして砂田将宏の7人。
彼らは、2つの大きな特徴が挙げられる。1つは、「海外展開を視野にいれたグループ」であること。もう1つは「LDH初のメンバー全員がマイクを持つグループ」であることだ。まず、海外展開という点では、深堀、奥田、砂田の3人は、「PROJECT TARO」(※)というプロジェクトに参加し、2013年から約3年半、ニューヨークに留学した経歴を持ち、英語が得意。さらに、海沼はブラジル人の母を持ち、ポルトガル語のネイティブである。
※EXILE TRIBEとエイベックスグループがタッグを組み、「世界を舞台に活躍できるメイドインジャパンの最強アーティストを生み出す」というテーマのもと、2013年にスタートしたアーティスト育成プロジェクト。
奥田 ニューヨークで、世界につながっていくという夢を真剣に持ったんですけど、約3年半留学させていただいていて、やっぱり世界で戦っていくということは難しいことだとも実感しました。でも、世界で活躍することは今でも一番の目標でもあり、夢でもある。これからBBZとして戦っていくつもりです。
松井 自分たちの夢は世界中で活躍すること。デビューアルバムに収録されている『Blast Off』という曲は、日本だけじゃなくて世界中を突破していくという意味も込められています。
砂田 世界を考えたときに、まず言語は重要だと思います。外国のプロデューサーやアーティストと会ったときに、グループの紹介を自分たちでできることは大きい。
日高 (深堀、奥田、砂田以外の)僕らは英語がダメなんです(笑)。
加納 R&Bなど好きな音楽のルーツ的にもしゃべれるようになりたいので、3人に協力してもらい、英語で話す機会を作っています。
海沼 ポルトガル語は、話せる人がなかなかいないんですけど、スペイン語と比べると使えるところが少ないんですよね(笑)。でも世界に出ていく上で、ラテン系の方にも自分たちのエンタテインメントを届けに行きたい。
砂田 アメリカでは、スペイン語が話せると生きていけると言われています。ポルトガル語はスペイン語と近いところがあるので、習得も絶対早いはず。そこを流星に任せたいなと。
海沼 頑張ります(笑)。
砂田 でも、言語も重要なんですけど、アメリカでいろいろなステージに立ち、リアルなお客さんの反応を見て思うのは、世界で戦うのに必要なことってオリジナリティーだなと。今、僕らの武器になるなと思うのはギャップ。アジア人の子たちがヒップホップをガツガツ踊る、このギャップが刺さると思うんです。他にも、僕らにしかない武器があると思うので、そのレベルを上げていかなければと思います。
LDH初の"全員マイク"
そんなBBZにとって大きな武器となりそうなのが、もう1つの特徴でもある「LDH初のメンバー全員がマイクを持つグループ」である点だ。EXILEなど先輩たちは、いずれもボーカリストとパフォーマーで構成される。だが、BBZは全員が歌い、踊り、さらにアクロバットができるなど高い身体能力も備える。
深堀ニューヨークに留学していた際もみんなで歌うパフォーマンスをしていたので、全員が歌って踊れるグループとして有名になりたいという夢を持っていました。
松井 今までのLDHにはない形のグループに入らせていただくことは本当にうれしかったですし、これから誰も見たことないようなものを作っていきたいです。
日高 7人全員がマイクを持つことの本当の強さって、いろいろなスタイルやテイストの楽曲が歌えることだと思っています。
海沼 7人全員がマイクを持って歌えるので、幅広い表現ができる。
日高 それぞれ得意なジャンルだったり、声の表現の仕方もあります。デビューアルバムには、「この曲はこの人が合っている」といういろいろな楽曲が詰まっています。
奥田 リード曲の『テンハネ -1000%-』は僕たちラッパーがメロの一部も歌っているんです。歌詞は「5年、10年先も同じ気持ちで限界を越えよう」という、今の僕たちのことでもあります。
加納 『Crazy for your love』は等身大のバラード。本当にいろいろな曲が集まっていると思うし、これからも挑戦していきたいなと思いますね。
深堀 今はまだ先輩方が作ってくれたレールの上にいるだけ。でも、結成して1年ぐらいたち、やっぱり自分たちならではの感じ、バイブスが出たときに手応えがあるんです。先輩方から学んだことやアドバイスを、まったく新しいものに変えるという思いで取り組んでいきます。
(日経エンタテインメント! 羽田健治)
[日経エンタテインメント! 2019年6月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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