グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食を旅する

「神栖メンチ」 ピーマン王国・茨城の必殺パンチ? 探訪!ご当地ブランド(4)

2019/7/6

地元の特産品販売所では神栖メンチの冷凍品が当たり前に売られている

この商品の販売元である鹿島食品(神栖市、大槻真人社長)を訪ね、話を聞いた。直接開発に携わった大槻正毅専務と、業務本部購買課の川崎政則課長だ。

――戦後、進駐軍の要請によって当地でピーマン栽培が始まったと聞きましたが、今やピーマン生産量が日本一だとか。

「はい。市も特産品づくりに力を入れており、社長は『神栖ピーマンの名を広めたい』と言い続けていました。試行錯誤の末、2014年夏にメーカーと共同開発したのが現在の商品で、メンチの主原料はすべて神栖市産。15年2月には市の地域特産品事業認定品に選ばれました」

――ピーマンが嫌いな人が多いのでは?

「そのため誰でも食べられるようピーマンと国産豚、鶏肉との配合度合いなどをかなり研究しましたね。市内の飲食店や特産品販売店のほか、16年4月からは学校給食用にも納入しています。2カ月に1回、小学生には1個45グラムの丸型、中学生は1個55グラムの小判型の半製品を。また85グラム10本入りの冷凍製品は、神栖市のふるさと納税品にも採用されました」

――全国的には知名度がイマイチな気が。

「そうですね。15年11月に静岡県長泉町で開かれた『ご当地メンチカツサミット』でも、『神栖ってどう読むの?』とお客さんに聞かれましたし。逆に、珍しいので大行列でした。今年3月には福島県三春町で行われた『全国あげものサミットFINAL』にも参加しました。Jリーグの鹿島アントラーズの試合の日は、カシマスタジアムで食べ歩けるスナック感覚の商品を売っています」

居酒屋チェーンでは名物メニューとして神栖メンチが売られている

なるほど。じわじわと攻略は進んでいるわけだ。同市の企業港湾商工課主幹の斉藤千佳さんに神栖メンチに出合える店をリストアップしてもらい、足を運んだのが、特産品などの直売所「WINDS BASE」だ。店内をのぞくと、確かに冷凍の神栖メンチは置いてあるものの、最近までやっていた1本180円で揚げたてを提供する方式は休止していた。「人手不足でねえ。でも形崩れせず揚げやすくておいしいから、近所の人たちはよく冷凍品を買いに来ますよ」と女性店員。

しかし、取材で乗ったタクシーの運転手全員に「神栖メンチって聞いたことありますか?」と尋ねたが、知らない運転手が多かったのが少し気になる。

その夜、神栖メンチと2回目の直接対決をするため、居酒屋「庄や鹿嶋パークホテル店」へ向かった。ミニトマトにキャベツ、レタス、レモンが載った皿にマヨネーズ、辛子を添えた神栖メンチは、基本は1人前3本(85グラム×3個)だが、本数は要相談だとか。広大な市域を巡ったご褒美気分で、ビールと共に味わっていると、白石拓也店長が「イチ押しはやっぱり魚介類ですが、神栖メンチは年配層にも『割とあっさりしている』と人気だし、30歳代のお客さんは3本完食しますよ」と教えてくれた。神栖メンチはブレーク途上の商品なのだろう。

グルメクラブ 新着記事

ALL CHANNEL