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画像はイメージ=PIXTA

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人事の仕組みの中でも、特に給与の仕組みが変化しつつあります。昭和50年代くらいから変わっていないんじゃないか、という会社もあれば、まるでアメリカの会社? というような会社まで様々です。大事なことは、あなたの会社の常識は、世間の常識ではない、ということを知ることです。

ベースアップと昇給はまったく違う

よく勘違いされるのですが、ベースアップと昇給は全く異なります。ですが、混同されて使われがちです。

典型的なものが、メディアでよく取りざたされる「賃上げ交渉」というキーワードです。まるで交渉して賃上げがされるというように勘違いを生んでしまうのですが、これはかつて組合闘争が盛んだった時代の名残でしょうか。

現在の人事制度では、組合の交渉によって賃金を変える要素はほぼ存在しません。賞与についてはまだ交渉が進む場合があります。けれども組合側も一律で〇カ月分を要求したり、他社状況を比較したりするのではなく、会社業績を勘案した対話路線を選ぶことが増えました。

交渉で賃上げが決まらなくなった理由のひとつに、ベースアップが極めて少なくなったという事情があります。かつて組合運動が盛んだった時代には、世の中の物価がどんどん上がっていました。だから普通に昇給するだけでは生活がしづらくなることが多かったのです。そんな場面で労働者が組合として一致団結し、経営者側から賃金の底上げを勝ち取る活動が多く行われていたのです。

そうして実現していた賃金の底上げのことをベースアップと言っていました。

交渉で給与が増えるのは社会が成長していた時代の名残

ベースアップという概念が生まれたのは1950年代だと言われていますが、その根本的な原因は物価が上がっていく現象=インフレーションです。物価が上がっているのに給与が増えないと生活ができない、ということであり、100円の商品が110円に値上がりしているんだから、給与も20万円から22万円に増やしてほしい、という理屈です。それはそれでもっともです。企業も同じだけの商品を売っているだけで、10億円の売り上げが11億円になっているのであれば。

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