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溶け合う日本と台湾の温泉文化 「星のや」台中に開業

2019/6/28

■名産のチョウザメを日本の調理法で

温泉に並ぶ温泉リゾートの醍醐味といえば朝夕の食事だろう。台湾の食材を、さまざまな方法で調理する。朝食は、トッピングを添えた台湾粥や和の朝食、洋食を提供。夕食は会席料理。アラカルトの台湾料理や和食も用意する。

台湾食材を日本の会席料理のスタイルで提供する。有田焼や九谷焼、備前焼など、日本の様々な器を使用

グーグァンならではの料理として、土地の名産であるチョウザメを南蛮漬けに。台湾食材を日本料理の技法で調理し、有田焼や九谷焼といった日本の器に合わせて出す。また、桃や柿、オレンジといった季節に応じたさまざまな果物も提供する。

土地特有の魅力を生かしたアクティビティーも、地元の資源を生かしてつくり込んでいく予定だ。例えば、敷地の裏手に広がる山々を巡るトレッキングや、施設から徒歩10 分の場所にある有名な湧き水をくんでコーヒーをいれる体験などが従業員からのアイデアとして出てきている。気功をベースとしたストレッチ。石けん作りのワークショップを開催し、それを露天風呂で使うといったアイデアもある。ほかにも、大自然を魅力として打ち出したものや、タイヤル族という原住民族の方々に笛など楽器の演奏や織り物を学ぶアクティビティーを検討している。

■現地採用スタッフのアイデア生かす

開業に当たって、日本からやってきたのは、総支配人の田川氏や料理長に加えて、サービスを取り仕切る数名のみ。そのほか、合わせて60 名ほどのスタッフは、グーグァンをはじめとする現地の人々を開業に合わせて採用した。

検討中のアクティビティーのうち、地元の湧き水を使ってコーヒーをいれるアイデアや、食材としてチョウザメを採用するといったアイデアは、現地のスタッフの発案だ。

田川氏は、「台湾の人々は、やさしさが強い」と言う。開業準備に奔走する日々の中においても、現地スタッフが度々かけてくれた温かい声に助けられ、それが、ここで提供すべきもてなしの学びにもなっている。「一緒に働きながら、人情味などを強く感じる。開業に向けて、常にオープンな雰囲気で支えてもらえるのが心強い」と続ける。

台北ほどの知名度はまだないものの、台中は台湾の人々が「台湾で最も住みやすいところ」と名前を挙げるエリア。グーグァンには、人を引き付ける大自然がある。星のやグーグァンは温泉という明快な魅力を入り口に、人々がこの土地の魅力を深く体感し、持ち帰るための体験を、ハードとソフトを連携させてつくり上げる。

(発売中の日経デザイン7月号から再構成 ライター 廣川淳哉)

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