平成生まれのMD 再生機は生産終了間近、部品も…「年の差30」最新AV機器探訪

加藤 それはもう、往年のオーディオファンのためということに尽きますね。ティアックはフロッピーディスクのドライブも最後まで作っていましたし、記録メディアはできる限り作り続けることを社命としているんです。

小沼 意義深いけど、大変そうですね。どういった方が買うんですか。

加藤 新規に購入する方は少なく、買い替えの需要がほとんどです。やっぱり皆さん、レンタルCDからダビングして作ったマイベストが手元にあって、それをいまだに聴いていたりする。そのMD自体に思い入れを持っていて、聴き続けたいという声があります。

小沼 同じ曲順のプレイリストを作ってiPhoneで再生しても、それはまた違う体験ですもんね。MDで聴きたい気持ちもわかります。

小原 カセットのようにMDは再流行しなかったのかなぁ? 小沼さんの世代に直接「刺さる」のなら、はやっていてもいいと思うのですが。

小沼 たしかに僕らの世代はMDに思い入れがあるし、まだ実家などに残っている人も多いと思います。ただ、再生機器を持っている人があまりに少ないのかもしれません。このMD-70CDもちょっと大きいですしね……。もう少し小型のものが生産されれば、可能性はあるかもしれないのですが。

加藤 MD-70CDはMDだけでなくCDも再生できるので幅435mmというフルコンポサイズになっています。MDだけを再生できるプレーヤーを求める声もあるのですが、部品の在庫に限りがあることなどを考えるとなかなか難しいですね。あと「MD-70CD」は実は業務用の「MD-CD1」をベースに作っているんです。今でも葬儀場などでは「葬儀で故人のMDをかけてほしい」とリクエストされる場面がありますから。家庭用だけで作り続けるのは難しいけれど、業務用と兼ねることで続けられているんです。

小原 業務用だから、MD単体でなくて、CDなども再生できる複合デッキが求められる。そんな事情もあったんですね。

覇権を争ったMD対DCC競争

小沼 そもそも、MDってどんなメディアだったんでしょう? 自分も使っていましたが、その歴史は知らないです。