知花くらら 苦しんだ20代、短歌が救ってくれた

ところで、処女短歌集を出版したことで今後の仕事へのスタンスは何か変わってきたのだろうか。

「処女歌集でようやく歌人デビューを果たした、スタートが切れたというのが本音です。もっと精進しなければと強く感じています。お芝居もモデルも、自分のできることを今まで通り続けていきたいと思っていますが、ただ楽しいことはやっていきたいんです。楽しいと思えることは、自分にとっての『正解』なのではないかと感じていて、だから常に、夢中になれること、ものを見つけていきたいと思っています」

何と最近、通信教育で芸術大学に入学、「建築を学んでいるんです」と知花さん。

「美しいものはたくさんあるし、人生をかけても世界中のきれいなものを見切れないですよね。どんどん、挑戦していきたいと思います」

これまでのキャリアを生かしながら新しいことは常に、「新しい」「楽しい」のアンテナは常に張っていきたいという知花さん。興味のあるものより義務感があるものからやっていく女性が多い中、知花さんは楽しいをキャッチする能力にたけているが、では40歳に向けて、どんな心構えでいるのだろうか。

「まさに40歳になる前に、勉強したいということもあって、学び舎に戻ったのですが、越えてからはどんな出会いがあるかまだ分かりませんので……。ただお芝居に関しては子どもを産んだらまた違う役もいただけるかもしれませんし、モデルとしても違う形になるかもしれませんし、先が予想できないお仕事だからこそ、楽しいと思える面もあります。挑戦している感じが合っているのかもしれませんね」

とはいえこれは違うかな? と思ったら「そっと後ずさりして扉を閉めるという選択もします(笑)。それも全然ありだと思っているので」

一人でいる時間も大切にし、バランスを取りながら表現を続けている知花さん。母となり、新たな歌が生まれるのも楽しみにしていたい。

知花くらら
1982年3月27日生まれ。沖縄県出身。2006年ミス・ユニバース世界大会で準グランプリを獲得。女性ファッション誌でモデルを務めるほか、TV・ラジオ・CMに出演。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」で女優デビュー。07年から始めた国連世界食糧計画(WFP)の活動は今年12年目を迎える。現在も国連WFP日本大使としてアフリカやアジアなど食糧難の地域への現地視察を行い、日本国内で積極的に現地の声を伝える活動を行っている。13年に独学で短歌を始め、17年には「ナイルパーチの鱗」で第63回角川短歌賞佳作を受賞。18年には永田和宏氏との共著「あなたと短歌」を刊行。現在も雑誌や新聞で短歌エッセーを連載中。

ドレス/ゴート(Goat) ヴァルカナイズ・ロンドン 03-5464-5255

(文 山田真弓、写真 厚地健太郎、スタイリング 田中雅美、ヘアメーク 重見幸江)