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知花くらら 苦しんだ20代、短歌が救ってくれた

2019/6/28

処女歌集、『はじまりは、恋』を出版した知花くららさん

知花くららさん(37)の処女歌集、『はじまりは、恋』(KADOKAWA)が6月28日に発売となった。ミス・ユニバース2006世界大会(第55回大会)で総合第2位に輝き、モデルとして、女優として、そして国連世界食糧計画(WFP)日本大使として活躍する知花さんは、聡明(そうめい)で美しく健康的なイメージがある。しかし20代の頃は、求められる姿と本来の自分自身とのギャップに苦しみ、摂食障害も経験した。そんな知花さんにとって、短歌との出合いは30代をしなやかに生き抜き、来るべき40代へ備えるための大きな岐路になっているようだ。『第63回角川短歌賞』で佳作を受賞するなど、歌人としても評価の高い彼女は、どのような思いで短歌を詠んだのだろうか。

■苦しんだ20代を経て出合った短歌にはどろっどろの感情も

知花さんと短歌の出合いは6年前のこと。細胞生物学者でもある永田和宏さんが永田さんの妻であり歌人の河野裕子さんと交わした歌集『たとへば君 四十年の恋歌』を贈られたことがきっかけだった。口語で詠まれる現代短歌の魅力に引き寄せられ、知花さんは自らも短歌を詠むように。

「始めてすぐに手放しで『これだ! 楽しい!』という感覚を得ました。歌を詠むときには、肩書も社会的な目線も気にしなくていい。そう感じる場所があることが、本当に私にとっては大事だったんだなと思います」

『はじまりは、恋 』著者:知花くらら、撮影:篠山紀信、価格:税別1600 円、発売日:2019年6月28日、仕様:四六判/192 頁予定、発行:角川文化振興財団、発売:KADOKAWA

処女歌集『はじまりは、恋』に収められた短歌は、数々の恋のこと、ルーツである沖縄のこと、国際貢献活動で見てきた社会問題、そして家族のことなど、30代の一人の女性の熱くあふれ出る思いがそこかしこに感じられるものばかりだ。

「何かテーマを設けて詠もうと決めているわけではなく、ふと心に留まったものを歌にしてきました。どの歌も、不思議と湿度が高いと言われますが、31文字という字数で表現するために、自分の心の中をより掘り下げなければならず、それが表れた結果かもしれませんね」

読むことで自分の心の中の何か、気づいていなかったものが出てくるということはあるのだろうか。

「どろっどろとしたものが出てきます(笑)。良くも悪くもさらっときれいにまとめられないところが短歌の魅力でもあると思っています。生き方も丸見えだと思います。今回の歌集は、これまでの詩歌をおよそ時系列に並べていますので、私の人生でどんなライフイベントが起こったのか、読んだ方には分かっていただける内容ではないでしょうか」

印象的なのは、心身ともに崩れ行く様も、包み隠さず表現しているところだ。知花さんは、健康的で美しいというパブリックイメージがあるが、20代は世間が求める自分と実際の自分のギャップに悩み、摂食障害にも陥った。

「20代は苦しみました。こうあらねばならない、求められている自分はこうだというものを勝手に自分に課していたのでしょう。自分の中に全くないものではなかったので続けられたものの、だんだんと自分の中でかみ合わなくなってきてしまって。一時期はちょっと変だなと自分で思ってはいたものの、食べては吐いてということを繰り返していて。それが摂食障害と分かったときに初めて、自分が限界だったんだなと気付きました」

知花さんは、責任感が強い。その責任感ゆえに20代は苦しんだが、短歌との出合いが、知花さんの人生を変えたことは間違いないという。

「20代はミス・ユニバースとしての活動もありましたし、モデルとして、女優としてなど『やらなければならないこと』が目の前に列をなしている状態でした。だから30代に入ってすぐに短歌に出合った時に、こんなに自由になれる場所があるんだと、開放された気持ちになりました」

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