厚生年金、保険料率は上限に 加入年齢引き上げ議論もそこが知りたい厚生年金(上)

良男 私たちの負担は半分の9.15%というわけか。

幸子 毎年少しずつ料率は上がってきて、17年9月に上限の18.3%に達したので、中嶋さんによると「以降は給料の増減で保険料の金額が変わることはあっても、料率は変わらない」そうよ。

 公務員を対象にした共済年金というのもあったよね。

幸子 15年10月に公務員や私学教職員の共済年金を厚生年金に一本化する改革が行われたの。「被用者年金の一元化」というものね。400万人以上の人が厚生年金に転換した結果、厚生年金の被保険者数は一気に増えて、4000万人を超えたのよ。

良男 それとは別に、短時間労働者の厚生年金加入も増えていると聞くよ。

幸子 厚生年金の適用基準は、以前は正社員の労働時間の4分の3(所定労働時間が週40時間の場合は30時間)以上だったの。それが16年10月に週20時間以上、賃金月額8.8万円以上、勤務期間1年以上などに緩和されたの。当初は従業員規模が501人以上の企業が対象だったけど、17年4月には労使合意があれば500人以下の企業も可能になったのよ。これまでに40万人以上が適用拡大の対象になっているわ。女性は40~50代、男性は60代のシニアが多いようね。

■適用一層拡大へ要件見直しも
大和総研研究員 佐川あぐりさん
厚生年金の適用拡大の議論は2000年ごろから本格化しました。パートやアルバイト、契約社員や派遣社員など、既存の制度に収まらない働き方が増えたからです。高齢化が進む中で働き手を増やすには、これらの人も取り込む必要がありました。働く側も年金額の増加など様々な給付メリットを受けることができます。
19年1月現在で43・3万人の短時間労働者が厚生年金に加入しました。国は9月末までにさらに適用を拡大することを検討する見通しです。現在は同じ条件で働いても、従業員が500人以下だったり、一部の特定業種だったり、勤め先によって厚生年金の適用か否かが異なります。保険料の半分を負担する企業側の反対もありそうですが、まずはこれらの要件から見直されるのではないでしょうか。(聞き手は土井誠司)

[日本経済新聞夕刊2019年6月19日付]

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