食欲が健康志向と矛盾する
脚本家、中園ミホさん
40代も半ばになりますが、食欲が旺盛です。普通に食事した後も、小腹を満たすためのスイーツやスナックが欠かせません。自分の中にある健康志向と矛盾しているのが分かっているのにやめられないのです。どうしたらいいでしょう。(東京都・40代・女性)
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40代以上の女性は全員といっていいほど、このジレンマを抱えていると思います。私もそうです。最近、はけるスカートがなくなってしまいました。みんな、もちろん健康志向も大好きだし、オーガニックにもはまっている。だけど、スナック菓子を食べてしまう。
スナック菓子は食べたくてたまらなくなるときがあります。それで、食べ過ぎてしまっても反省するだけ。スポーツクラブのトレーナーとか専門家に相談すれば、「食事と運動の内容を考えましょう」ということになるんですけど、う~ん、どうしたらいいんだろう。
これはテレビ番組で試していたことです。その場で10秒間ダッシュをすると、食欲が抑えられるというのです。そうすると結局、1時間に10回くらいは走っていることになって、果たして食欲が抑えられているのかはなはだ疑問ですが、とりあえず私はこれを実践しています。
ダイエットのために何かを我慢している人が、私の周りにもたくさんいます。彼らを見ていて感じることがあります。例えば、いまはやりの炭水化物抜きダイエット。取り組んでいる人たちは、ご飯に対する執着がとても強い。食べたいのに食べないというストレスが長く続いていると、ものすごい欲求不満になっているように私には思えます。
そういう人と一緒に旅行をすると、「旅行中は自分で自分を解放することにした」とかおっしゃって、ものすごく食べる。男の人も、女の人も。「今日はもう食べることにした」とか言ったときの、ご飯粒への執着はものすごい。
という私もいま、アレルギーを抑えるために小麦を食べることができません。ずっと、パンを我慢しています。「パンが食べたい」と思ったとたん、本当に頭の中がパンのことでいっぱいになります。そして、たまにとはいえ大爆発を起こすぐらいなら、我慢はほどほどにしたほうがいいんじゃないかなと私は思うのです。
何かを「我慢し過ぎる」というのはつらいものです。ダイエットとか、健康志向とか、いろいろな情報があふれています。できることをやりつつ、ある程度は自分を甘やかしてもいいんじゃないでしょうか。
[NIKKEIプラス1 2019年6月22日付]
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