朝30分、きつめウォーキングがその日の血圧を下げる座りっぱなしで肥満の高齢者を対象にした研究

日経Gooday

2019/7/15

ウォーキングはトレッドミルを用いて行いました。速度は3.2km/時に設定し、朝のウォーキングでは、参加者の年齢に基づく最大心拍数の予測値の65~75%になるよう傾斜を調整しました。座っている間に行った3分間ウォーキングの際には、傾斜はつけませんでした。

食事は朝と昼の2回提供しました。座っている間は、ラップトップPCを用いて静かに文書を読む、または仕事をするよう指示し、血圧が上昇する可能性があるテレビ視聴や、重要ではない電話などは禁止しました。血圧は、開始前と、開始1時間半後から1時間に1回の頻度で測定し、試験終了時点で最後の測定を行いました。

実験と実験の間隔は6日以上あけ、実施前48時間は、カフェイン、アルコールの摂取と、中~高強度の運動を禁じ、実施前夜は19時から21時の間に夕食を終えるよう指示しました。

朝の30分のウォーキングで「上の血圧」が3mmHgほど低下

実験の結果、朝8時から8時間の収縮期血圧の平均は、「座りっぱなし」の日に比べ、「運動+座りっぱなし」の日は3.4mmHg、「運動+座りっぱなし+30分ごとに軽い運動」の日は5.1mmHg、それぞれ有意に低くなっていました(表1)。

(Wheeler MJ, et al. Hypertension. 2019 Apr;73(4):859-867.)

「運動+座りっぱなし」の日と「運動+座りっぱなし+30分ごとに軽い運動」の日の収縮期血圧の平均を比較すると、全体では、後者の方が1.7mmHg低くなっていました。この差は、主に女性において、軽い運動の追加による降圧効果が大きかったことに起因していました。女性の「運動+座りっぱなし+30分ごとに軽い運動」の日の収縮期血圧を「運動+座りっぱなし」の日と比較すると、差は3.2mmHgありました。一方、男性の場合は、「運動+座りっぱなし+30分ごとに軽い運動」の日と「運動+座りっぱなし」の日の収縮期血圧の平均には差はほとんど見られませんでした。

また、下の血圧(拡張期血圧)に対する運動の影響は小さく、性別による差もほとんど見られませんでした。

過体重または肥満で、座っている時間が長い高齢者において、朝食後30分間のきつめの運動が、その日の昼間の血圧を下げることが示されました。朝の運動に加えて、その後も30分ごとに軽い運動をした場合の利益は、男性より女性で大きいことも明らかになりました。

論文は、Hypertension誌2019年4月号に掲載されています[注2]

[注2]Wheeler MJ, et al. Hypertension. 2019 Apr;73(4):859-867.

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2019年6月5日付記事を再構成]

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