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若手リーダーに贈る教科書

離職減り営業力アップ 組織を強くする「笑い」の技術 中北朋宏著『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』

2019/6/22

■詰め合わせることで笑いは倍増される

一流のお笑い芸人の中には、自分のトークを書き起こして緻密に構成する人もいるというから驚きです。1つのエピソードだけでは笑いが少ない場合には、何個かのエピソードを詰め合わせて笑いを倍増させる、と著者は述べます。

先程の具体例だと、2度目のオチの前に、再びディテール(フリ)を追加します。「満員電車で座っているとちょうど座席2つ分を使うので、迷惑をかけないために事前に切符を2枚買っておくらしいんです。」そして、最後に2度目のオチとして「満員電車で周囲の目が厳しくなってきたら2枚の切符を印籠みたいに見せるんです。」と結びます。

笑いの仕組みから考えて、いきなり大きな笑いは生まれないため、雪だるま的に自ら転がして大きくしていくことが求められます。
(第2章 リアクションを実践してみる 74ページ)

「売れている芸人に学ぶメール術」「飲み会で相手の心をつかむ5つのスキル」「ロイヤリティが高まる話し方」など、本書にはコミュニケーションを楽しくするための技法が詰まっています。読み物としてもおすすめの一冊です。

◆編集者からひとこと 雨宮百子

中北さんと出会ったのは、別の著者の紹介でした。初めて出会ったときに、通常の名刺の9倍サイズの名刺をいきなり手渡され、驚きました。名刺ケースにはいらないので、机の前に飾っています。

中北さんにとって初の著作だったので、原稿が初めて送られてきたときは、どのようなものか正直、少し不安でした。しかし、不安は読み進める中ですぐに消えました。話が面白いのです。真面目なゲラを担当することが多かったこともありますが、ゲラを読んで初めて笑いました。何度も笑いました。「どうしてこんなに面白くかけたのですか」と聞くと、「芸人さん」のときは、笑いのネタを書いていたようです。

本書の登場人物は、友人や同僚の中に誰しも想像がつきそうな人たちです。笑いながら、そしてときにウルッとしながら、ご一読ください。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ日本経済新聞出版社の若手編集者が、同世代の20代リーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。掲載は原則、隔週土曜日です。

「ウケる」は最強のビジネススキルである。

著者 : 中北 朋宏
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

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