日産の新型「デイズ」 軽とは思えぬ上質感・静粛性

2019/7/14

一方で、全く異なった表情を見せているのが、そのフロントマスクである。標準仕様に加えて、いわゆる「カスタム仕様」と呼ばれる、より個性に富んだ若者向けモデルを設定するのは、昨今の軽自動車では常とう手段。そこで、既存の自社SUVラインナップとの関連性を狙ってか、ことさらの押し出し感の強さが演じられた三菱版カスタム仕様である「eKクロス」に比べると、グンと控えめでかつ上品に映るのが、日産版カスタム仕様のデイズ ハイウェイスターの顔つきなのだ。

姉妹車の「三菱eK」シリーズとともに、2019年3月28日に発売された「日産デイズ」シリーズ。日産が初めて開発を行った軽自動車でもある
ツートンカラーの採用と同時に、ルーフが浮いているように見えるサイドのデザイン処理が新型「デイズ」の特徴だ

もちろんそうした見た目に関しては、目にする人それぞれの好みの感覚が大きいのは承知しているが、「賛否両論真っ二つ」が明確なeKクロスに比べると、デイズ ハイウェイスターのほうがカスタマーにとっての「間口」が広いことは、容易に想像できる。実際、正直なところeKクロスには大きな抵抗感を抱いた自身にとっても、デイズ ハイウェイスターのルックスであれば問題ナシ!

ということで、今回のお題はそんなデイズ ハイウェイスターのFFトップモデルに日産自慢の運転アシスト機能を加えた、Gターボ プロパイロットエディションである。

リッターカーをしのぐ質感

ダークブラウンのボディーに、パールホワイトのルーフやドアミラーを組み合わせる「特別塗装色」をまとった今回のテスト車は、「SOSコール」やヒーター付きのフロントシート(寒冷地仕様車に含まれる装備)といったメーカーオプション、ナビゲーションシステムや白色LEDフォグライトなどのディーラーオプションなど、総額48万円を超えるアイテムをプラスした豪華バージョン。

あまりに強く自己主張を行う派手なイエローのナンバープレートが何ともそぐわないものの、そのたたずまいはビックリするほどに上質で、「これでは『マーチ』なんかは、とても太刀打ちできないな……」と、余計な心配もしたくなるほどだ。

もっとも、その分お値段もそれなりで、前出オプション類を加えた今回のテスト車の総額は軽く200万円をオーバー! ひと昔前の相場ではとても「商品」足りえなかったそんな高額なモデルが、抵抗なく買われていくという現状は、軽自動車の商品力が向上したと同時に、5ナンバーサイズのモデルがほとんど消滅してしまうなど、「昨今の小型車が大きくなり過ぎた」というユーザーの陰の声を反映したひとつの結果でもあるように思う。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=3395×1475×1640mm。四隅にタイヤを配した踏ん張り感のあるデザインを採用した
「賢く、きちんと、こざっぱり」が開発のテーマとなったインテリア。Aピラー付け根の形状も変更され、スッキリとした印象でありながら、斜め前方の視界確保にも役立っている

 ちなみに、パッと見で抱いた好印象はキャビンへと乗り込んでからも続き、ダッシュボードやドアトリムの仕上がり具合などは、「こうしたレベルには遠く及ばない『リッターカー』など、日本製・海外製を問わずにいくらでも見つかる」というほどの上質感。タップリした厚みで成型されたサンバイザーなども、これまでの多くの軽自動車の常識を離れ、触れても全く「ペナペナ」感がないほどだ。

いやいや、これはもう「余計な心配」などではなく、完全なる「リッターカーキラー」そのものである。日産は、もはや放置状態にあるマーチや「キューブ」などを、今後どうしていくつもりなのだろう。

期待と想像以上の走り

さらに、走り始めた後もそんな「軽自動車離れ」した優れた印象は、まだまだ続いていく。

最初に感心させられるのは静粛性の高さだ。そこはさすがに「軽自動車としては」という前置きが必要であるものの、ロードノイズの小ささも含めて「期待と想像以上」と受け取れた。

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