分配型投信、新世代が人気 分配金控えめで長生き対応QUICK資産運用研究所 清家武

控えめタイプでは基準価格が大きく下がらないように考慮したファンドが多く、背景には「金融ジェロントロジー」の考え方があるとみられている。金融ジェロントロジーとは「金融」と「老齢学」をあわせた新たな学問で、米国で研究が進んでいる。日本では慶応義塾大学や野村ホールディングス、三菱UFJ信託銀行などが取り組みを強化しているほか、金融庁が17年に行政方針で触れたことで注目が集まった。

「資産寿命」延ばし、長い老後に備え

金融ジェロントロジーでは長い老後に備えて「資産寿命」をいかに延ばすかが大きな課題となる。これまで主流だった毎月分配型は元本を取り崩して分配金を払うケースが珍しくなかった。金融庁は長期の資産形成に向かない商品と指摘し、金融機関が販売を控えるようになった。新タイプの分配型投信は運用リターンを向上させる努力をしながら分配金で基準価格が大きく下がらない仕組みのため、金融機関側は資産寿命を延ばすことにつながるとみている。金融ジェロントロジーと併せて、金融業界で「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」重視の流れが強まっていることも背景として見逃せないだろう。

ただ運用実態に即して分配金を出すファンドが増えてきたとはいえ、分配金は「ファンドの実力」を十分に示しているわけではない。分配金の金額だけでなく、基準価格の動きも踏まえて運用力を総合的に判断することが大切だろう。