成功体験を積むことで、転職市場での価値がアップ
当然、サブスクリプション型ビジネスの成功にもこのプロセスが欠かせないことから、PMFを経験している人が求められています。また、今後はAI(人工知能)などの活用により、プロダクト・サービスが高度化していくと見込まれますので、その知見を持つ人材ニーズも出てくるでしょう。
しかしながら、先に述べたとおり、営業マネジメントの経験者にも、このポジションで迎えられる可能性があります。営業領域からさらにキャリアの幅を広げたい、人材価値を高めたいという人にとっては、このポジションに就き、事業開発のフェーズを経験するのは有効な手段だと思います。
サブスクリプション型のビジネスを手がける企業で働くメリット・面白みは、以下の点にあるかと思います。
・安定収益を確保できるため、クオリティアップへの取り組み、新たなプロダクト・サービスの開発などに投資していける
・収益力が高く、IPO時の時価総額アップにつながりやすい。ストックオプションを付与されているとキャピタルゲインも大きい
実際の転職事例をご紹介しましょう。
IT(情報技術)コンサルタントを務めていたAさんは、今では名が知れたサブスクリプションモデルのサービス企業に、まさにプロダクト・マーケット・フィットに取り組む段階で転職されました。
当然ながらブランドが認知される前であり、収益力もなかった時期。しかしAさんは成長の可能性を感じ、年収が約半分にダウンするにもかかわらず、入社を決意しました。
そして、いわゆる「産みの苦しみ」を経験しながらも、プロダクトのブラッシュアップから拡販のための戦略策定まで手がけ、そのサービスを軌道に乗せるまでのプロセスに貢献したのです。その企業は上場を果たし、Aさんはストックオプションによるキャピタルゲインも手にしました。
その後、サブスクリプションビジネスの成功体験が買われ、別の企業の経営取締役へ転職。現在は、前々職であるITコンサルタント時代の2倍の報酬を得ており、エンジェル投資家としても活動しています。
Aさんの例にも見られるように、ビジネス開発を成功させれば、企業としても個人としても大きな利益につながり、人材としての市場価値を高めることもできる可能性が、この分野には秘められているといえるでしょう。
なお、2018年12月には一般社団法人の日本サブスクリプションビジネス振興会(東京・渋谷)が設立されたそうです。この振興会では日本市場でのサブスクリプションのビジネスモデルの普及を目的としているとのことです。こうした団体の活動にもアンテナを張り、情報収集してみてはいかがでしょうか。
