景気後退期の今こそ投資のチャンス(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

グラフの赤い枠が内閣府のデータによる景気後退期です。

一致しない景気と株価の波

株価は景気循環より、半年から1年先に動きます。景気後退期に入る前、まだ景気拡大期にあるうちに株は下げ始めます。景気後退期になってからもしばらく株は下げ続けますが、そこは買い場がどんどん近づいていく局面です。次の景気回復が視野に入るころから、株は反発に転じます。後から振り返ると、景気後退期の後半は絶好の買い場だったことが多かったといえます。

一番株を買ってはいけないタイミングは、景気拡大期の末期です。景気がまだ良いのに株が下げ止まらないときは、警戒した方が良いといえます。今回で言うと、2018年の後半が景気拡大末期に当たっていたと考えています。

ただし、注意すべきことがあります。景気循環を予想して当てるのは至難の技ということです。私は、19年が景気後退(または停滞)期、20年は回復期と予想していますが、その予想が外れることもあり得ます。景気循環の予想だけに頼って株を売買すべきではありません。

株価指標面でも割安な日本株

もう1つ、株を買う上で重要なことがあります。それは買おうとする株が割安かどうかです。配当利回りやPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの投資指標から判断することができます。

株価指標で見て今の日本株は、私がファンドマネジャーをやっていた25年のどの時点よりも、割安です。財務内容、収益力がこれだけ堅固になり、配当利回りがこれだけ高くなったことは、過去にありませんでした。景気悪化によって株が下がってきていることに加え、今の割安な株価バリュエーションも見ると、日本株は買い場と考えます。

まずは大型の高配当株を

最初に買うべきは、大型の高配当利回り株と考えています。大型の高配当株というと、かつては配当利回りが2~3%台が多かったのですが、今は4~5%台が多くなっています。財務内容が良好で増配する企業が増えているのに、先行きへの不安から株価低迷が続いているので、配当利回り水準が年々高くなってきています。とりあえず、以下のような銘柄群が最初の投資候補と考えています(配当利回りは会社が発表した今期の1株当たりの年間配当金を6月12日の株価で割って計算。楽天証券が作成)。

気をつけるべきは、配当利回りは確定利回りではないことです。将来業績が悪化して減配となり、株価が下がることもあります。なるべく業種の異なる多数の銘柄に分散投資した方が良いでしょう。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
窪田真之
楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト。1961年生まれ。84年慶応義塾大学経済学部卒業後、住友銀行(当時)入行。99年大和住銀投信投資顧問日本株シニア・ファンドマネジャー。2014年楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト、15年所長。大和住銀では日本株運用歴25年のファンドマネジャーとして活躍した。
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