■味のあるブロンズケースにあえてのグリーン文字盤が新鮮!
ブロンズは海水や腐食に強いことから昔から船のパーツや潜水器具などにも用いられてきた素材。ただ緑青が発生しやすいため、装飾品である腕時計にはあまり使われてこなかった。しかしクラシック回帰なデザインが増えるに伴い、最近はブロンズの温かみのある色合いや経年変化する特性に着目するブランドが増えてきた。そして2019年、ここに時計界のトレンドカラーであるグリーンの文字盤を合わせたモデルを各ブランドがこぞってリリース。ブロンズ×グリーンは確かに相性が良く、ビンテージやミリタリーのニュアンスもぐっと高まる。以下ではその証拠とも言える3本を紹介した。男らしさを表現する新鮮な一手として注目である。
モンブラン
1858 オートマティック クロノグラフ リミテッドエディション
名門時計ブランド「ミネルバ」を傘下に収めて以降、そのアーカイブに範をとったビンテージスタイルのモデルを連発し、時計通から高評価を得ているモンブラン。新作の「1858 オートマティック クロノグラフ リミテッドエディション」もその流れの1本で、ミネルバが1920~30年代にかけて軍事利用や実地踏査用に開発した伝説的なプロ仕様モデルをモチーフとしている。もともとこういう2カウンタースタイルのクロノグラフはレトロ感が強いが、カーキグリーン文字盤とブロンズケースを合わせたことで一層ビンテージ感を増幅。カテドラル型の針や12時位置に掲げた30年代のモンブランロゴも雰囲気にぴったりマッチしており、クラシックでどこか格調の高さを感じさせる1本としてお薦めしたい。
ベル&ロス
BR03-92ダイバー グリーン ブロンズ
航空機の計器をそのまま腕時計にしたような存在感たっぷりのケースでブームを巻き起こしたベル&ロスの角形「BR」シリーズ。2017年に登場したBR03-92 ダイバーはそれを本格ダイバーズにアレンジしたもので、防水性の確保が難しい角形ながら300メートルの防水性能を実現し、ベル&ロスの高い技術力を改めて知らしめた。新作の「BR03-92ダイバー グリーン ブロンズ」はこれにブロンズケースとグリーン文字盤を与えたもの。さびに強いブロンズは昔から潜水具や碇などに使われてきた素材ゆえ、潜水用の計器のような雰囲気をたたえる今シリーズに非常にしっくりとなじんでいる。ちなみに逆回転防止ベゼルはベースがブロンズで、そこにグリーンのアルミニウムをインサート。アルミニウムは使うほど傷がつくが、だからこそ経年変化するブロンズにはぴったりのセレクトと言えよう。5年10年と着用したときにどんな雰囲気に育つか、今から楽しみだ。
タグ・ホイヤー
オータヴィア アイソグラフ
タグ・ホイヤーもブロンズケース&グリーン文字盤の組み合わせを新作の「オータヴィア アイソグラフ」に投入した。今までレーシングクロノグラフのイメージが強かったオータヴィアだが、今作ではすっきりした3針スタイルを採用し、軍用パイロットウォッチ的なテイスト強めているのが面白い。もともとオータヴィアは「AUTOMOBILE(自動車)」と「AVIATION(航空)」を組み合わせた造語で、そういう意味ではこれも正しい進化といえるだろう。ちなみに「アイソグラフ」とはカーボンコンポジット(炭素複合材)製のひげゼンマイとテーラーメイドのテンプを用いたタグ・ホイヤー独自の最新振動子のこと。これを従来から使用する自動巻きムーブメント「キャリバー5」に搭載し、重力や衝撃、磁場にも強い時計となっている。
(ライター 吉田巌:十万馬力)
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