Men's Fashion

男心をくすぐる「モダンビンテージ」9選

時計

Watch Special 2019(下)

2019.6.24

往年の名作パイロットウオッチやダイバーズウオッチを現代の最新技術で復刻したモデルが2019年も数多く登場した。また、味わいあるブロンズケースにグリーン文字盤を合わせ、新鮮なビンテージテイストを演出する手法も目立った。それら“モダンビンテージ”ウオッチの中からより強く男の心に訴えかける魅力を持ち、今どきのファッションとの親和性も高いモデルをご紹介しよう。

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■ビンテージなルックに最新機能を投下した復刻系パイロットウオッチ

視認性や耐久性に優れ、コックピット内の機器が発生する磁気を遮断すべく耐磁性まで付加されたモデルも多数と、パイロットウオッチはその高い実用性が魅力だ。航空マニア限定のジャンルと思っている人もいるかもしれないが、日常的にガンガン使い倒すことができる時計が欲しいなら狙い目のジャンルといえよう。特に以下で紹介する新作のパイロットウオッチは、クラシックなデザインがスーツやジャケットとも好相性。ビジネススタイルに男らしいニュアンスを添えたいときにも絶好だ。

ブライトリング
ナビタイマー Ref. 806 1959 リ・エディション

ナビタイマー Ref.806 1959 リ・エディション AB09B-1DAA ケース:直径40.9mm、ステンレススチール、3気圧防水 駆動装置:機械式手巻き、パワーリザーブ約70時間 税別価格:96万円

パイロットウオッチといえば真っ先にその名が挙がるのがブライトリングのナビタイマーだろう。新作の「ナビタイマー Ref.806 1959 リ・エディション」は、1952年に誕生したこの傑作シリーズのうち、最もアンティーク市場で人気の高い59年製モデルの復刻版だ。現行ナビタイマーも誕生時のクラシックなスタイルをキープしているが、こちらはアクリル製のドーム型風防やベゼル(額縁部)のビーズ状の装飾、クラシックなウイングマーク、さらにインダイヤル(文字盤上の小型文字盤)を白ではなく文字盤(ダイヤル)同色の黒とした効果で、より初期ナビタイマーの雰囲気が濃厚。オリジナルと揃えるためケースも特注しており、アンティークのナビタイマーとほとんど見分けがつかないほどだ。しかも搭載する駆動装置(ムーブメント)も、自社製の自動巻き「Cal.01」をあえて当時と同じ手巻き式にアレンジしたもの。復刻ブームの時計界だが、ここまでオリジナルに肉薄したモデルはちょっと他にないだろう。

IWC
パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア

パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア IW326801 ケース:直径39mm、ステンレススティール、60m防水 駆動装置:機械式自動巻、パワーリザーブ72時間 税別価格:53万円

シンプルな3針スタイルが好みなら、IWCの「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」がいい。こちらは1948年から英国空軍のために製造された名作「マーク 11」のデザインを忠実に再現したもの。退色したような色合いのベージュの夜光塗料と相まって、今作もアンティークさながらのルックスに仕上がっている。それでいて搭載するのは、最新の自社製ムーブメント「Cal.32110」。「ペラトン式」と呼ぶ高効率な双方向爪巻き上げ機構を搭載するこのムーブメントは、IWC初のシリコン製脱進機(エスケープメント)の採用により、72時間ものパワーリザーブ(連続駆動時間)もかなえている。 もちろん同社パイロットウオッチの伝統である軟鉄製インナーケースにより耐磁性も抜群。まさに「羊の皮を被ったオオカミ」的な1本だ。ステンレススチールケースのほか、ブロンズケースにオリーブグリーンを合わせたトレンドの配色が用意されているのもうれしいところだ。

パテック フィリップ
アラーム・トラベルタイム 5520P

アラーム・トラベルタイム5520P モデル 駆動装置:機械式自動巻き 連続駆動可能時間:最小42時間、最大52時間 ケース:プラチナ仕様、3気圧防水、直径42.2mm 税別価格:2470万円

2015年の「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム 5524」に続き、パテック フィリップから再び1930年代の同社製パイロットウオッチにデザインの範をとった新作が登場した。それが「アラーム・トラベルタイム 5520P」だ。異なる2つの時間帯を示す独自のトラベルタイム機構の搭載は15年モデル同様だが、こちらはさらにハンマーでゴングを鳴らす24時間対応のアラーム機構まで搭載した超複雑時計だ。ちなみにパテック フィリップが防水ケースのチャイム付き時計を手掛けるのは今作が初。ゴングはムーブメントではなく、ケース側面に搭載したことで、防水ケースながら音の減衰を抑えることができたらしい。プラチナ外装ということで値段もかなりのものだが、時計界の至宝にふさわしい超複雑パイロット時計として人気を博しそうだ。