――やはり顔型ではないのですね。サイズが合った後はどのようなアドバイスをしますか。

牧野「お客さまのライフスタイル次第です。ビジネスでカチッと見えるようなものを、といった要望をしていただけると助言しやすいですね。ご本人が選ぶとなると好き嫌いもあって、つい似たようなものを手にとってしまいがちです。なのでスタッフの思いもこめて、お客様が手にとらないような1本もおすすめすることにしています。意外性も楽しさかと……」

――職場の変化や年齢とともに、選び方を変えてもいいですよね。

石津「僕はスーツを着る機会が減っていますので、むしろスポーティーなものに走りたい気分だな。これなんかどうですか」

牧野「アセテートのグレー。黒の服に合わせてもきれいです」

――最初の繊細なものとは違って、フレームにボリュームがあって雰囲気が変わりました。

石津「これくらい主張してもいいですよね。メガネは服の色に合わせて着替えるといいですよ。男性の場合、スーツとは違う他の色を入れるときは、2カ所に使うことを心がけてください。ネクタイと靴、ベルトとネクタイ、などとね。すると意識してその色を入れている、という主張が出ます。ブルー系のスーツを着たときに茶色のメガネをしたなら、ほかのどこかにも茶色を持っていくことだよ」

■実はフレームが大きいものほど、だれにでも似合う

アイヴァン7285トウキョウ店長の牧野弘生さんに異なるメガネをかけてもらった。黒目はぴったり真ん中に位置。フレームの形や色でこんなに印象が変わる

――実際こんなに印象が変わるということを牧野さんの私物のメガネで見せていただこうと思います。

牧野「まずはリムレス(縁なし)のツーポイント(写真左)です。こちらはシルバー。続いてゴールドのボストンタイプ(同中)をかけてみますね。シルバーとゴールドでずいぶんイメージが変わると思いませんか。もう一つ、黒のセルフレーム(同右)をかけてみましょうか。ヨーロッパのビンテージでサイズをカスタマイズしました。どれも小ぶりなのですが、サイズがあっていると、悪目立ちしないものです。実はメガネはフレームが大きいものほど、だれにでも似合います。問題は小さい場合で、小さくなるほど難しいのです。ぴったり黒目が真ん中にくるように気をつけると、全身で見てもメガネが浮いて見えません」

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