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研究続けるリケジョを増やせ 国立大学、知恵絞る

2019/6/18

東北大学内の保育園に長男を迎えに来た同大の渡辺寛子助教(左)(5月31日、東北大学青葉山みどり保育園)

大学が女性教員を増やす取り組みが成果を出し始めた。大規模な学内保育所を設けたり、女性に限定して教員を公募したりして研究の継続と研究者の定着を促している。支援制度の利用者による研究の実績も上がってきたという。特に女性が少ないとされる、理系分野に強い国立大学の取り組みを追った。

「おかえりー」。5月末の平日午後5時、東北大ニュートリノ科学研究センターの渡辺寛子助教(35)は仕事を終えると1歳の長男を迎えに行く。向かうのは東北大青葉山キャンパス(仙台市)の青葉山みどり保育園。研究棟からは徒歩10分の距離だ。

渡辺助教は長男を0歳5カ月から預けている。昼休みに授乳に出向くこともあった。「子供が体調を崩しても、すぐに駆けつけられる。職場から近くて助かる」と話す。

東北大は女性研究者の仕事と育児の両立を支援するため、学内保育園を複数設けている。18年開所のみどり保育園を含めた定員は計250人。大学内保育所としては全国最大級だ。

保育所の拡充や研究補助に加え、女性同士の交流を促すランチ会も始めた。東北大によると、18年度の教員の女性比率(助手を除く)は12.2%と10年で約4ポイント伸びた。

東北大学の梅津准教授

人数の増加に伴い、めざましい成果を上げる女性研究者も現れた。その1人、金属材料研究所の梅津理恵准教授(49)は海外渡航支援など女性向け制度を活用して3人の子供を育てながら研究を続けた。19年には優れた女性研究者に贈られる「猿橋賞」を受賞した。義母と子供を連れて海外出張したり、子供の世話をしてから深夜に研究室に戻ったり、両立の工夫を重ねた。

東北大は材料分野や半導体などの理系領域に強みを持つ。女性支援の施策を推進する大隅典子副学長は「創造的な研究には研究者の多様性が欠かせない。優秀な女性の流出を防ぐためにも、ロールモデルを増やし、女性がいるのが当たり前の状況をつくる必要がある」と訴える。

東北大学の大隅典子副学長

文部科学省によると、全国の大学教員の女性比率は24.8%。国立大に絞ると16.7%(国立大学協会調べ)にとどまる。国大協は「私大に比べて理系の学部が多いため」と分析する。01年の7.6%からは大幅に増えたが、水準は低い。

理系を志す女子学生が増えるなか、大学で研究を続ける未来図を描く女性はまだまだ限られる。一因はロールモデルの少なさだ。「ずっと周りに女性がいないのが普通だった」(梅津准教授)。渡辺助教は「『企業の研究職の方が働きやすそう』と大学を離れる女性を何人も見てきた」と語る。

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