IPO、 値動きに「法則」 初値は上昇しやすく

下落の理由は需給の要素が大きい。公募・売り出しする株式は7~8割が個人投資家向けだ。楽天証券の土居雅紹執行役員は「抽選に当たった個人投資家の大半が初日に売却する」と話す。

機関投資家は投資信託の運用会社や年金、ヘッジファンドなど幅広く、短期で売却か長期保有かはまちまちだ。一般的には「取得できた株式数が少ない場合や、初値が高いほど手放す率は高まる」(国内大手運用会社)ようだ。

目論見書を確認

特定の既存株主の売却を一定期間制限する「ロックアップ」後も売り圧力が強まる。期間は90日か180日が一般的。制限の有無は目論見書で確認できる。

目論見書では既存株主の構成も見ておきたい。ベンチャーキャピタル(VC)は投資資金を回収するため売りを出しやすく、保有比率が高い場合は注意が必要だ。

上場後初めての決算発表も注目のイベントだ。上場時に示した業績予想や成長戦略の進捗、情報開示の姿勢などを確認できる。話題性や値動き重視の売買から、「実力」を評価し、中長期の目線で資金が動き始める時期でもある。

通期決算であれば有価証券報告書で上場後の株式保有比率の変化を確認したい。VCなど売り圧力の強い株主の保有が減っていれば、業績や成長性などの観点から腰を据えた投資がしやすくなるだろう。

(成瀬美和)

[日本経済新聞朝刊2019年6月15日付]

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