誰を誰に紹介するの introduceの語順は意味がないデイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(3)introduce

【日本人の心の中】
I'll introduce you to...って「あなたを~に紹介する」ということだよね? 「あなたに~を紹介する」ではなくて。要するに、私のことを候補者たちに紹介するつもりなのかな。「この人のもとで働きたいですか」とか言って、選択させるわけ? 今はそういう時代なの?

日本語の「紹介する」という言葉は、ふつう、目上に対して目下の者を紹介する、あるいは身内を外部の人に対して紹介する、のような使い方になるかと思います。ところが、英語にはそうした「上と下」「内と外」の使い分けはほとんどなく、関係は対等です。たしかに、introduce A to B(AをBに紹介する)なのか、それともintroduce B to A(BをAに紹介する)なのかは、意味の上で違いがあります。しかし、その差はさほど重要ではなく、仮にAとBを入れ換えたとしてもほぼ同じ出来事を表すのです。

むしろ意味にかかわらず、youを目的語に持ってきたほうが自然だと考えられます。ですから、グループのみんなに向かって友人を紹介するとき、日本語では「みなさんにケンを紹介します。彼はこれこれこういう人です」のような言い方をしますが、英語では逆に、Let me introduce you to Ken. He is...と言って紹介することが多いのです。Let me introduce Ken to you.にはならないのです。

こうした場合のintroduceは「紹介する」と訳すよりも、「引き合わせる」の意味でとらえたほうがよいかもしれません。一方向の通知ではなく、双方向の出会いの場を作るといった感じです。スティーブがユウカに伝えたI'll introduce you to some of them.も、「あなたを彼らの何人かに引き合わせる」のニュアンスです。ちなみに、その直前に言っているpotential peopleは「見込みのある人たち」を表します。

さらに掘り下げたいintroduceとその関連表現

(1) introduce

I'd like to introduce you to someone. This is Lucy, my co-worker who I told you about. あなたに紹介したい人がいます。お話ししていた同僚のルーシーです。

*直訳すると「あなたをある人に紹介したい」となりますが、続いて「あなた」のことをその人に説明するのではなく、「その人」のことをあなたに説明しています。ですので、逆に「ある人をあなたに紹介したい」と訳したほうがしっくりきます。あるいは、本文で解説したとおり、introduceを「紹介する」よりも「引き合わせる」の意味で理解すればよいでしょう。

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