モデルに俳優、MCも 伊藤健太郎「何でもやりたい」

日経エンタテインメント!

2018年10月公開の映画『コーヒーが冷めないうちに』が興行収入15億円のヒット。さらに、メインキャラクターの1人を演じた10月期ドラマ『今日から俺は!!』が、子どもや若者の間でブームとなり、存在感が急速に増した21歳の伊藤健太郎。同世代には次世代の主役候補がひしめくが、彼が少し違うのは、他の分野の仕事にも積極的に取り組んでいることだ。

1997年6月30日生まれ、東京都出身。『コーヒーが冷めないうちに』で日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞俳優部門。5月12日まで舞台『春のめざめ』上演中。主演映画『惡の華』は9月27日公開(写真:藤本和史)

モデルとしてキャリアをスタートし、14年の連ドラ『昼顔』で俳優デビュー。西谷弘監督の指導のもと、キーパーソンとなる問題児役を熱演した。その後、連ドラ『学校のカイダン』(15年)などで経験を積み、NHK『アシガール』(17年)での若君様役で注目度を高めた。同年に映画『デメキン』で初主演すると、18年は映画6本、連ドラ5本に出演。俳優活動は順調に拡大しているが、さらにラジオのパーソナリティや情報番組のMCまで始めてしまった。役のイメージへの影響を恐れ、“素”を出す仕事を嫌がる俳優も多いなか、愛されるキャラクターと高い対応力で新たなファンも獲得。マルチな活躍ぶりは、若手男性俳優の新たなモデルケースとなりそうだ。

子どもから熱烈な視線

『今日から俺は!!』 マンガ原作のヤンキーコメディ。18年10月期に放送された。役名が伊藤真司ということもあり、このタイミングで「健太郎」から本名の伊藤健太郎に改名した。映画化も決定(Huluで配信中)

「振り返ってみても、『今日から俺は!!』は大きかったです。僕を知ってくださる方がすごく増えました。放送後に、チャリティーで寄付していただいたお金とプレゼントを持って岡山の児童養護施設に行ったら、みんなドラマを見ていてくれて、『今日俺ダンス』を踊ってくれたんです。先日も焼肉屋で隣にいた小さい子がジーッと見てきたので手を振ったら、お父さんが『ツッパリの伊藤さんのファンなんです』って。子どもたちにあんなキラキラした目で見られたら、もっと頑張らなきゃと思います。

福田雄一監督は、コメディに対してストイックですが、要所でこちらを気にかけてくれるし、一緒にお仕事をした人ならきっとみんな好きになるような方。ファミリー感が強いチームで、難しさも味わいましたが、とても楽しかったです。でも最初は、大きなドラマの2番手で、伊藤真司という役柄のポジションも含めて不安でした。それを福田組の常連でもある主演の賀来賢人さんに相談したら、『福田さんはもしダメだったらそう言うし、やりたいことを自信持ってやったほうがいいよ』と言ってくれて。その言葉に救われました。

『コーヒーが冷めないうちに』の塚原あゆ子監督とご一緒したのは、ドラマの『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(16年)以来2度目でした。またお仕事できたことがうれしくて、試写のときはそんな思いも混ざって涙があふれて。後日、塚原監督から『健太郎は見ている人を幸せな気持ちにさせる役者さんになれます』という内容のお手紙をいただきました。今後、僕のモチベーションの根幹になる言葉だと思っています」

知人の紹介で、中学生の頃からファッション誌でモデルの仕事を始めた。その数年後に、蜷川幸雄の舞台のオーディションを受けたのが、演技に触れた最初だった。