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教育資金贈与に新税制 所得1千万円超は非課税適用外

2019/6/22

4月以降の贈与分について受贈者の所得に上限が設けられた

子や孫に教育資金をまとめて贈与した場合に贈与税が非課税になる制度があるそうですね。制度の一部が見直されたと聞きました。どう変わったのでしょうか。

◇ ◇ ◇

■使い切れていないお金に相続税も

祖父母や父母が孫や子に教育目的のお金を一括で贈与する場合、もらう側(受贈者)1人当たり1500万円までが非課税になる制度があります。2019年度の税制改正で適用期限が従来の19年3月末から21年3月末へ延びました。

その半面、適用条件が一部厳しくなりました。まず4月以降の贈与分について受贈者の所得に上限が設けられ、前年の所得が1000万円超だと適用対象外です。働いていたり自分名義の不動産から所得を得ていたりすると非課税となりにくくなります。

4月以降に贈与した後、贈与者が3年以内に亡くなると、死亡時点で受贈者が使い切れていないお金に相続税がかかる規定もできました。ただし受贈者が23歳未満である場合などは除きます。贈与の時点で20歳未満であればこの規定による相続税がかかる心配はありません。

■23歳以上、習い事などは除外

教育資金の範囲も一部見直されました。授業料や保育料など教育施設に払う費目のほか、スポーツや文化芸術に関する習い事も原則、教育資金に含まれます。ただし改正により7月以降、受贈者が23歳になるとそれ以降、習い事などは除外されます。

条件が緩和された規定もあります。これまで受贈者が30歳までに資金を使い切らないと、残額は贈与税の対象となりました。7月以降は30歳以降でも学生だったり教育訓練を受けたりしている場合、最長で40歳に達する日まで使えることになりました。

非課税制度を利用する際は金融機関に専用口座を開きます。贈与者が入金したお金を受贈者が引き出す際、使途を金融機関が確認して対象かどうか判断します。金融機関によって引き出し方法は異なります。利用者が自己資金で立て替え、領収証の提出後に引き出すケースが一般的です。三菱UFJ信託銀行など一部では教育資金を支払う前に引き出すことが可能で、その場合、支払った領収証を翌年3月15日までに提出します。

■年齢差に注意

子育て世帯にとってありがたい制度ですが、税理士の福田浩彦さんは「子や孫の年齢が上がってから満額の贈与をして使い切れず贈与税が課税されるケースもある」と指摘します。複数の子や孫がいると平等な金額を贈与したくなるでしょうが、年齢が10歳と15歳などと離れていればその後にかかる教育資金の額は異なるので注意しましょう。

[日本経済新聞朝刊2019年6月15日付]

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