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ラーメン官僚 オススメの一杯

ピザソバって何 ラーメンの都、東京・新宿に新店続々

2019/6/21

「小麦と肉 桃の木」の「天日塩味」

小麦と肉 桃の木(こむぎとにく もものき)

<1年9カ月ぶりの復活。女性店主が紡ぐこん身の和風つけ麺>

最後に紹介するのは「小麦と肉 桃の木」。ロケーションは東京メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩約5分。同エリアの住民が憩う公園と隣り合うビルの1階にある。漆黒に彩られた外壁が目に入れば、それが同店だ。

新宿御苑前を代表するラーメン店として君臨した「小麦と肉 桃の木」は17年4月、惜しまれながらも一旦のれんを畳んだ。その店が19年2月、女性店主・矢野氏によって奇跡の復活を遂げたのだ。運営形態は変則二毛作で、ラーメン店としては原則14時までの営業となる。14時以降は「桃の木」に隣接する「たつろうカフェ」で、クレープやレモネードを販売する。店主が手掛けるクレープも、根強いファンが大勢いる人気商品だ。

女性店主によって名店が復活

現在、「桃の木」が提供するのは4種類のつけ麺。「天日塩味」「昆布醤油(しょうゆ)味」「こってり昆布醤油味」及び「つけ麺ブルガリア」をそろえるが、初訪問であれば券売機筆頭メニューである「天日塩味」を薦めたい。

スープをひと口含み、舌上で丹念に転がすと、早春にそよぐ風のように穏やかな豚テールの香りが鼻腔(びこう)を優しく刺激する。その後を追いかける煮干しの和風味。喉元を通過する刹那、ふくよかな塩の甘みが立ち上がり食べ手に心地好い余韻を刻む。これ以上ないほど緻密に計算された鉄壁の三層構造は、完成され過ぎていて小憎たらしくなるほどだ。

そんなこん身のスープを包み込むように受け止める幅広平打ち麺は確かに、デフォルトの300グラムでも物足りないほどの高水準。つけダレに大量に投入された豚バラ肉と油揚げを箸でつまみながら、麺をすすっていると、いつの間にか丼が空っぽになってしまっていた。

どことなく「武蔵野うどん」のような雰囲気も漂わせる1杯。新宿御苑エリアを再び席巻する日が来るのも、遠い日の話ではないだろう。

(ラーメン官僚 田中一明)

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