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コカ・コーラが新エナジードリンク 若者市場に狙い

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日経クロストレンド

日本コカ・コーラの夏季商戦向け新製品の中で、注目は19年7月1日に発売される「コカ・コーラ エナジー」。カフェインやガラナエキス、ビタミンB6、ナイアシンなどの栄養成分を含み、主に若者に狙いを定めて販売展開する。

確実に収益拡大が望める有望な市場

新たなエナジードリンクを夏季製品として投入する狙いについて、コカ・コーラグループ統括部長の島岡芳和氏はこう話す。

「エナジードリンク市場は、継続して伸長を続けている有望な高収益市場。過去5年の平均成長率は10%を超え、確実に収益拡大が望める。一方で近年はこの市場に新しさが欠けているという声もある。常に刺激的なニュースを欲する消費者に対し、どのようにアプローチすべきかを考えた。エナジードリンクの飲用者の多くは20代を中心とした若者世代で、炭酸飲料も飲んでいるお客様が多い。飲用者が共通するということは、炭酸飲料のリーダーブランドであるコカ・コーラも、エナジードリンク市場で強みが発揮できる」

「コカ・コーラの『強み』は誰もが知っている独自のおいしさ。さらに高揚感を感じられる楽しい時間や、仲間とつながる幸せな時間を提供できること」(島岡氏)。同社はこの強みをエナジードリンク市場でも発揮していくとのこと。エナジードリンクらしい刺激的な飲みごたえが、コカ・コーラならではのおいしさで楽しめるのも魅力だという。

「コカ・コーラブランドのイノベーションとして、エナジードリンク市場にもポートフォリオを拡大していきたい」と島岡氏は話す。メインターゲットは、忙しくも充実した毎日を送っている20~30代の男女。コカ・コーラならではの親しみやすく安心感のあるブランドイメージを生かし、普段エナジードリンクを飲んでいない消費者にも気軽に楽しんでもらえるよう訴求していく。

既にヨーロッパ各国では販売が始まっている。4月にスペインとベルギー、5月にはドイツ、英国と続き、日本は12番目の導入となる。

ヨーロッパ各国では話題を呼ぶ製品になっているそうだが、日本でのプロモーションはどう展開していくのか。

「世界初の導入はヨーロッパだが、日本は世界レベルで見ても重要な市場の1つ。新製品を最大展開するために十分なプランニングを重ねてきた。発売の発表を皮切りに、積極的にプロモーション活動をする予定」と島岡氏。まずはオンラインやTwitterでのティザー活動を行っていくとのこと。

「導入期には広告や店頭展開を一気に最大化する。世界最大規模の導入プランを実現するために、あらゆるコンタクトポイントでコカ・コーラ エナジーを露出していく。また、手売りのチャネルはもとより、日本独自の自動販売機チャネルでも最大展開する」(島岡氏)

「burn」撤退の経験から勝利のプランを導く

発売サイズとメーカー希望小売価格(税別)は、自動販売機限定の190ミリリットル缶が148円、250ミリリットル缶が190円。エナジードリンクは缶が伸びていることもあり、購入者の気分に合わせて一気に飲み切れるようサイズを多様化した。さらに味わいのバランスと総合判断した結果、価格帯を決定した。

エナジードリンクをコカ・コーラブランドで発売するのは初の試みだが、コカ・コーラは12年に「burn(バーン)」ブランドでエナジードリンクを発売し、その後販売を終了している。その背景について島岡氏はこう語る。

「『burn』にも主要なエナジードリンクの要素をしっかり入れた。しかし、エナジードリンクの市場は非常に競争が激しく、1つのブランドを立てていくのに厳しい戦いを強いられたのも事実。その後、エナジードリンク市場で必ず勝つためにどんなソリューションを使い、どのブランドで参画することがベストか試行錯誤を繰り返してきた。そして、綿密なプランニングと、複数回の消費者の調査を経て、この『コカ・コーラ エナジー』であれば自信を持って市場に参画でき、今までのプランニングを生かした成功ができると結論付け、このたび本製品に絞ってエナジードリンク市場に再参入することを決定した」(島岡氏)

コカ・コーラ エナジーの他にも、透明炭酸飲料の「コカ・コーラ クリアライム」を夏季限定で発売する。販売開始は6月10日から。さらに「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロ」には、冷やすとラベルの色が変わるコールドサインデザインを採用する。こちらは6月17日から期間限定で販売する。これら3つの商品で、19年の夏季商戦に挑む。

(ライター 梶塚美帆)

[日経クロストレンド 2019年6月3日の記事を再構成]

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