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ミネルバ大の旅する授業 先端素材とハングルに出会う ミネルバのふくろう(9) 日原翔

2019/7/3

■複合素材グラフェンから書道につながる

ハングルの書道パフォーマンスに感動

そんな複合素材を通じて出会ったグラフェンですが、ここからさらにつながりは広がります。工場見学に私を呼んでくれたグラフェン企業の社長と、ソウル市内にあるハングル(韓国語の文字体系)博物館の館長が交流を持っていて、近々その博物館で開かれる書道イベントに私を招待してくれるという話を持ちかけられたのです。

この博物館が想像以上に面白い展示内容で、どのような背景でハングルが制定されるに至ったのか(ハングルは自然発生した文字ではなく、世宗という王が作り上げたとされている)や、ハングル文字の形が実はその音を出す際の口の形を模している、などそれまで私が全く触れたことのなかった歴史や知識に触れることができました。特にメインイベントであった著名書道家のパフォーマンスは圧巻でした。日本語の書道とは表現の方向性がかなり違うように感じられて、半紙に墨というおなじみの道具から生み出される未知の模様は、私に不思議な違和感と畏敬の念をもたらしました。

■1+1≠2? 出会いの連鎖が広がる不思議

話があちこちに広がってしまいましたが、それこそが私が今回伝えたいものです。元はと言えば学校のカリキュラムの一環で行っていた複合材料の研究が、グラフェンの化学構造に対する理解、韓国語の歴史背景に関する知見、そしてハングル書道アートへの畏敬の念というように多様に形を変え、私に多くの見聞をもたらしてくれました。人との出会いの連鎖というのは本当に不思議でありながら面白いものだと感じます。どこから何がくるか分からない。でもだからこそ可能性が拓けていて、毎日が予測不可能で楽しくなるのだと思います。複合材料も人との縁も、1+1が2にならないという点で共通しているのかな、と感じたミネルバ生活ソウル編でした。

日原翔(ひはら・しょう)
1998年埼玉県生まれ。聖光学院高等学校を中退し、経団連の奨学金制度でカナダのPearson College UWCに2年間留学。2017年9月よりミネルバ大学に進学。身体を動かすことが好きで、現在はダンスに熱中している。科学や政治経済にも関心を持っており、自身の将来像は未だに悩みあぐねている。座右の銘は「二兎を追う者のみが、二兎をも得る」

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