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脳活性化で体機能向上 アスリートも励む赤ちゃん返り

脳のコンディショニング術(2)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

趣味でやっているジョギング、ゴルフ、テニスなどのパフォーマンスをアップさせたい、あるいは、年のせいか階段をスタスタ下りられなくなった現状をどうにかしたい、などと思っているビジネスパーソンも少なくないだろう。とはいっても、筋トレや走り込みのようなきついトレーニングは正直厳しい……。そんな人に試してほしいのが「脳のコンディショニング」だ。これは、トレーナーの江口典秀さんが提唱している「トータルニューロコンディショニング(TNC)」という最新のメソッド。第1回「加齢で衰えた体のキレ 脳の感覚チェックで取り戻す」では理論とセルフチェックの方法を解説したが、今回は具体的なエクササイズを紹介しよう。

赤ちゃんに戻って脳のスイッチを入れ直す

「脳のコンディショニング」は、筋トレや有酸素運動などとは全く別のもので、体を動かす時に指令を出している脳の情報処理能力を高めるものだ。具体的にどんなことをやるかというと、「赤ちゃんに戻すことから始めます」と江口さん。

新生児の脳には、大人の脳と同じだけの神経細胞が備わっている。脳の神経細胞は数が増えることではなく、シナプスでつながり細胞間にネットワークができることで成長する。これはよく、インターネットのケーブルに例えられる。新生児の脳はいわば、ケーブルは配置されているが、接続されていない状態。生後1年間で、特に体を動かすためのネットワークの接続部分が急激に増えていくのだ。

「寝ていた赤ちゃんが立てるようになるということは、地球の重力に対抗して体のバランスが取れるようになるということ。寝返り、四つばいなど発達プロセスを段階的に踏むことにより、徐々に神経のネットワークにスイッチが入り、立つための全てのネットワークがつながった時、立てるようになります。このプロセスは、その後に自由に歩き生活できるための基盤となリます。また、この姿勢が保てないと、肩こりや腰痛だけでなく、座って仕事をする時などに集中力が低下する要因にもつながります。しかし最近、寝返りや四つばいなどが十分にできないまま成長してしまい、どこかのスイッチが入っていない場合があるようです」(江口さん)

赤ちゃんはお母さんの声がするほうを向きたい、おもちゃを取りたいなどの理由で寝返りをするが、こういった刺激が少ないと十分に寝返りをしないで育つ。また、抱っこばかりされていたり、住宅事情の影響などで十分にハイハイをしたりしないまま立つ子もいる。

「立つことは全ての運動の基本です。赤ちゃんの時にどこかのスイッチが入っていないままだと正しく立つことができません。そのため、運動時のフォームが悪くなったり、左右差が出たり、体を思うように動かせない、しなやかに動かすことができない、猫背姿勢になったり、姿勢が保てず肩こりや腰痛につながったり……、ということが起こります」(江口さん)

江口さんは、アスリートに指導をする際、従来のトレーニングの前のウオーミングアップに、寝返りや四つばいなど、赤ちゃんに戻るエクササイズを行い、次に、正しい姿勢で立つためのエクササイズを行っているという。

つまり、まず寝ていた赤ちゃんが立てるようになるまでの発達段階のスイッチを入れ直すことでうまく立ち上がるための準備をし、その上でバランスよい姿勢を保持できる訓練をする、というわけだ。

このうち後者の、バランスよい姿勢を保持できるようになる訓練には、通常、わざとバランスを取りにくいように作られたオリジナルのボード(マークスボード)を使用するそうだが、今回はボードを使わずに行うエクササイズを教わった。

「あまりにも簡単なエクササイズなので、最初はみんなポカンとするのですが、正しく立てるということは、姿勢を自動制御できるということ。姿勢を保つために使っていた能力を他に回すことができるようになるため、視野が広くなったり、判断が早くなったり、崩れた体勢を素早く戻せるようになります。それが、競技のパフォーマンスアップや身体能力の改善につながるのです」(江口さん)

手の器用さアップや脳の活性化にも有効

脳は手を使うことでも活性化する。赤ちゃんに鉛筆やスプーンなどの道具を持たせて自由に使わせることも、脳のスイッチの強化になるという。

「赤ちゃんに鉛筆を持たせると、初めは手のひら全体で握り、ぐちゃぐちゃに書くだけですが、成長するにつれて徐々に指を使って握れるようになり、最終的に大人と同じような握り方で絵を描けるようになります。しかし、最近、こういったプロセスを飛ばして成長してしまう人が多いようで、その場合、例えばテニスでは、ラケットが器用に操れないということが起こります」(江口さん)

こういった場合も、赤ちゃんに戻るエクササイズから始めるのが有効なのだそう。

一方、赤ちゃんの頃に、全てのスイッチが入った人でも、神経系の機能は加齢により衰えるという。また、座りっぱなしなどの運動不足や、睡眠・食事など生活習慣の乱れも神経系の機能低下に影響を与えるという。

「前回記事『加齢で衰えた体のキレ 脳の感覚チェックで取り戻す』のセルフチェックで結果が悪かった人や、次に紹介する姿勢チェックで正しく立てていない人は、老化や疲労など何らかの原因で神経系の機能がうまく働いていない可能性もあります。心当たりがある人は、朝起きた時に次に紹介する寝返り、ムカデ運動、四つばいの3つを行うことで赤ちゃんの発達段階におけるスイッチの入れ直しができ、それだけで脳の活性化が期待できます。運動のパフォーマンスを上げたい人は、運動前のウオーミングアップとして、これらのエクササイズを連続して行うといいでしょう」(江口さん)

ポイントはゆっくり、そして一定期間、毎日継続して行うことだという。

●姿勢のチェック

耳、肩の真ん中、股関節が一直線になっているかどうかを見る。また、足の裏の指側とかかと側に均等に体重がかかっているか(足の指が浮かず、床にちゃんと着いているか)をチェックする。

首が前に出ていたり、骨盤が後傾している人が多く、こういう人はかかとに荷重をかけてバランスを保っている。こうした姿勢の場合、重力に対して体を直立に保つために必要な、頭や首、体幹部を支える筋肉に指令を送る脳の機能が低下している可能性がある。正しく立てるようになるため次で紹介するようなエクササイズを行おう。

●エクササイズ

【寝返り(左右各5回)】

※誰かに数メートル離れた場所で手をたたいてもらうとやりやすい。一人で行う場合は、誰かが部屋の隅などで手をたたいているとイメージして行うとよい。

まず、誰かが部屋の奥で手をたたいているとイメージする。あお向けに寝た状態から首を起こし、音が鳴っている側とは反対の耳で音を聞こうとしながら、視線を音のする方向に動かしつつ、手を使わずにゆっくりと体を回転させる。戻るときは股関節を曲げてひざの引き上げを使う。赤ちゃんが「どこかで何かの音がする→見たい」と体を動かすように、聴覚と視覚を使って動くのがポイント。

【ムカデ運動(左右各5回)】

両手脚を上下に伸ばした状態でうつ伏せになり、片側の手と脚を引き寄せて、手脚を引き寄せた側に顔を向ける。その状態から顔を上げて反対側に顔を向ける。反対側を向くと同時に、曲げていた方の手脚を伸ばし、反対側の手と脚を引き寄せる。顔を動かす時、目から先にその方向に動かすのがポイント。これは四つばいの前段階の動き。

【四つばい(前後・左右各5回)】

床に手とひざをつき、ひざは肩幅に開く。肩と股関節の力を抜いて背中を丸めないようにする。この状態から、上下、左右に頭を動かす。顔を動かすとき、目から先にその方向に動かすのがポイント。

頭が下がっていたり、肩に力が入っていると首を上げることができない。

上記のエクササイズで上手に立ち上がるための準備が整ったら、正しい姿勢を保持できるようにするためのエクササイズを行おう。それについては次回記事で紹介する。

(文 村山真由美、写真・動画 鈴木愛子)

江口典秀さん
マークスライフサポート代表取締役、日本オリンピック委員会強化スタッフ。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了後、プロスポーツ選手や実業団選手など、多くのトップアスリートのケアおよびトレーニングを指導してきた。これまで夏季・冬季オリンピックにてセーリングやアルペンスキーの日本代表チームのコンディショニングを担当。現在は神経科学を応用した脳のコンディショニング「トータルニューロコンディショニング(TNC)」の普及に尽力している。

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