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読んで作って2度うまい 食卓彩るレシピ付き漫画10選

NIKKEIプラス1

2019/6/16

レシピ付きの漫画が注目されている。
簡単に再現できると評判だ。
物語もおすすめな作品を、専門家12人が選んだ。

■多彩なキャラに実用性を味付け

料理がテーマの漫画といえば、1980年代に連載開始した「美味しんぼ」(小学館)や「クッキングパパ」(講談社)を思い浮かべる人が多いのでは。その「おいしい料理をつくる」という点は変わらないが、最近は材料や作り方が詳しく、読者が家で再現できる、実用的なレシピ付きの「レシピ漫画」が増えている。

登場するのは、実際に食卓に並べられる家庭料理がほとんど。「ストーリーの面白さはもちろん、おいしく、簡単に作れるレシピが魅力」とアニメグッズ販売のアニメイト(東京・板橋)宣伝部の大黒瑞月さん。レシピはだいたい1話につき、1つついている。

キャラクターは時代を映し多様化している。以前はシェフや料理好き、子どもを持つ男性が主人公の作品が多かった。しかし今回上位の作品では、同性が好きな男性や、登山好きの山ガール、漫画家の女性アシスタントなど性別や職種、趣味が多種多様。「異世界でモンスターを料理する漫画もある。近年の作品は読者にあっと言わせる工夫がこらされている」(大黒さん)

作品を読みながら、登場人物と同じ料理に舌鼓をうつのがレシピ漫画の楽しみ方だ。

1位 きのう何食べた?
730ポイント
リアルな日常 まねしたいレシピ

「週刊モーニング」で連載中。テレビドラマ化もされている人気作。きちょうめんな弁護士と、おおらかな美容師の男性同士のカップルが主人公だ。定時帰りが信条の弁護士の筧史朗(シロさん)が、仕事帰りに手早く料理を作る描写が中心で、「忙しい日々で後回しにしがちな食事の大切さを実感させてくれる。365日まねしたいレシピ」(中沢孝紀さん)が満載だ。

同性カップルならではの悩みや食材の10円単位の値上がりに苦悶(くもん)する姿など「リアルな描写で『わかるなあ』となる。シロさんのうんちくからも、食へのこだわりが分かる作品」(八重田幸子さん)。

専門家が推したおすすめレシピは「鶏肉のトマト煮込み」(第5巻)。計量カップではなく、中身を出したトマト缶の缶を使って水の分量を量るなど、シロさんが手際よく食事の支度をする様子が描かれている。

(1)作者 よしながふみ(2)出版社 講談社(3)刊行数 既刊15巻(4)定価 1~4巻571円+税、5~14巻581円+税、15巻610円+税

鶏肉のトマト煮込み

(1)ニンニク半かけを粗みじん切り、タマネギ1個をくし形にカット

(2)鶏もも肉を8等分に切って塩・こしょうをまぶす

(3)肉の表面を焼いていったんフライパンから取り出す

(4)(1)を中弱火でいため、シメジ1パックを入れる

(5)タマネギがくったりしたらトマト缶半量を投入

(6)トマト缶1缶分の量の水コンソメキューブ1つを入れる

(7)肉を戻し、ピザ用チーズを適量入れる

(8)黒こしょうバジル、オレガノをお好みで

(9)チーズが溶けたら出来上がり

2位 花のズボラ飯
670ポイント
手抜きでもアイデア山盛り

夫が単身赴任中のずぼらな性格の主婦、駒沢花が主人公。パート勤務で、夫が帰ってくる時以外は家を散らかしたまま暮らしている。インスタント食品や残り物を駆使し、1人で作って1人で食べる簡単レシピが一番の魅力だ。「手抜き激うまご飯漫画の金字塔。どんな面倒くさがりでも、おいしい料理が作れると分かった」(池本美和さん)

月刊「エレガンスイブ」で2009年に連載が始まりテレビドラマ化もされたが、現在は不定期連載中。本格再開を望むファンは多く、「原作者でミュージシャンの久住昌之先生ならではの音楽ネタがちりばめられている」(塚本浩司さん)。花がうれしそうに頬を上気させて食べる描写にも引き込まれる。「官能的な食事のリアクションは男性ファンが多そう!」(太田和成さん)

おすすめレシピは、花が電車内で偶然聞いた話で再現した、めんたいバター豆腐丼(第2巻)が選ばれた。

(1)久住昌之(原作)、水沢悦子(漫画)(2)秋田書店(3)既刊3巻(4)900円+税

めんたいバター豆腐丼

(1)豆腐半丁を手でほぐし、丼ご飯にのせる

(2)かつお節をふりかける

(3)めんたいこを満遍なくまぶす

(4)刻みネギをふりかける

(5)バター1かけをのせ、レンジで1分半加熱

(6)しょうゆを適量かける

3位 山と食欲と私
560ポイント
登山×グルメの新境地

自称「単独登山女子」の日々野鮎美27歳が主人公。1人で山に登り、持参した食材を調理して食べるのが幸せと感じている。バーナーなど登山用品を使った料理シーンが多く、「料理と登山の融合という新たなシーンを作りあげた作品。読めば山頂での料理にチャレンジしたくなる」(神谷武之さん)

2015年からウェブ漫画サイト「くらげバンチ」で連載中。「アウトドアの道具を使った調理が楽しそう。自宅の庭や屋内でも試してみたくなる」(三木雄太さん)。山頂での食事のほか、登山を通じて知り合った人々との交流も描かれており、北アルプスの奥穂高岳など実在の山の登頂ルートや装備品の解説も詳しい。

おすすめレシピは青ジソの爽やかな香りが暑い季節にぴったりの「大葉味噌の焼きおにぎり」。

(1)信濃川日出雄(2)新潮社(3)既刊9巻(4)520円+税

焼きおにぎり

(1)大葉数枚を刻み、味噌砂糖、みりんといためて大葉味噌をつくる

(2)フライパンに専用ホイルを敷く

(3)両面に焼き色がつくまでおにぎりを加熱

(4)大葉味噌を両面にぬり、焦げ目がつくまで焼く

(5)大葉をはさんだノリで包む

4位 舞妓さんちのまかないさん
510ポイント
花街の裏側と素朴な一品

舞妓(まいこ)が共同生活を送る京都の「屋形」で、まかないとして働くキヨが主人公。きらびやかな花街の生活に親子丼やホットドッグなどの簡単な食事が登場する。「非日常の世界の素朴な日常を美しく描いている。いつものご飯がおいしい漫画」(熊谷孝行さん)

「週刊少年サンデー」で連載中。作中、屋形の女将さんが「絶品ではないが、ほっとする」というキヨの料理の腕は、青森に暮らす祖母仕込み。「冷蔵庫にあるものでリクエストに応えるまかない飯は、派手ではないが癒やしの一膳。相手を思いやる大切さを教えてくれる」(日吉雄さん)

おすすめレシピはお菓子がなくなって落ち込む舞妓に作った「焼きりんご」(第4巻)。

(1)小山愛子(2)小学館(3)既刊10巻(4)600円+税

焼きりんご

(1)りんごの芯をスプーンでくりぬく

(2)貫通したら反対側に実をつめてふさぐ

(3)砂糖、バターを好みの量入れて200度のオーブンで約20分焼いて出来上がり。レーズンシナモン、ナッツを入れるのもおすすめ

5位 ホクサイと飯さえあれば
450ポイント
食いしん坊がひたすら作る

大学進学を機にしゃべるぬいぐるみ「ホクサイ」とともに上京した少女、ブンが主人公。無類の食いしん坊だが、「“食べる”より“作る”を楽しむ点が新しい。空き缶をつかったチャーハンなど、実際に試したくなるアイデアも山盛り」(中沢さん)

月刊の「ヤングマガジンサード」で連載中。別の雑誌に掲載した「ホクサイと飯」の続編。「前作を未読でも大丈夫!とっぴな設定もあるが、食に対する主人公の熱量にどんどん引き込まれる。少しの手間で楽しめるレシピが豊富」(田中香織さん)

おすすめレシピは「ホワイトソース」(第2巻)。ジャガイモとタマネギだけのシチュー。朝の忙しい時間に作った。

(1)鈴木小波(2)講談社(3)既刊8巻(4)1~7巻602円+税、8巻630円+税

ホワイトソース

(1)タマネギとジャガイモ各1個をみじん切りにして油でいためる

(2)火を消して小麦粉大さじ1を入れ、なじんだら粉末のコンソメ少々を加えて混ぜて着火

(3)牛乳200ミリリットルを少しずつ足してかき混ぜ、塩・こしょうで味つけ。沸騰したら出来上がり

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