月収2万円低い氷河期世代 政府の就職支援策は有効か

就職氷河期、説明会では学生が行列を作った(1999年、東京・丸の内)
就職氷河期、説明会では学生が行列を作った(1999年、東京・丸の内)

政府は6月、30代半ばから40代半ばの就職を支援する方針を示しました。この世代は高校や大学を卒業する時期に深刻な不況に見舞われ、企業が採用を絞り込んだため「就職氷河期世代」と呼ばれています。政府は職業訓練の強化などにより安定した雇用を増やすとしていますが、実現は可能でしょうか。

氷河期世代は一般的に1970年から82年生まれを指し、全体では2300万人超います。バブルが崩壊した90年代の半ば以降、就職の厳しい時期が長く続きました。文部科学省の調査によると、大卒の就職率は91年に81%でしたが、氷河期の底ともいわれる2000年ごろには50%台半ばまで低下しました。

新卒採用の時期にとどまらず、以降も雇用状況が好転しなかったのが氷河期世代の特徴です。正社員への道が長く閉ざされたため、30~40歳代になっても非正規雇用の比率が高止まりしています。給与の面でも厳しく、連合総研が16年に発表した報告書によると、氷河期世代である40~44歳の大卒者の平均賃金は前の世代に比べ月2万円も少なくなっていました。

氷河期世代の最年長は50代にさしかかります。日本総合研究所の下田裕介副主任研究員は「未婚の増加ときょうだい数の減少により、氷河期世代には親の介護が集中しやすい」と心配しています。下田氏は、同居する親の介護で生活が困窮する可能性のある氷河期世代の最年長層が、33万人いると試算します。絶対数も人口比も前の世代より多くなると見積もっています。

政府はこうした問題も見据え、氷河期世代の正規雇用を3年で30万人増やす目標を掲げました。具体的な支援メニューとしては職業訓練の拡充などを挙げていますが、専門家の見方はどうでしょうか。

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