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ノルウェーでウニを復活 カギは日本産コンブ

2019/6/19

Paravi

ノルウェーの極寒の海で採れたウニを割ってみると、空っぽ。海の中は、中身のないウニで覆い尽くされていました。ウニが大量発生することで海草が食べ尽くされる「磯焼け」という現象が起きていたのです。

大量発生したウニに海草が食べ尽くされる「磯焼け」

生態系のバランスが崩れることで起きるもので、魚が減り、漁業にも大きな影響をもたらす深刻な問題です。この厄介者のウニをビジネスにしようと活動している人がいました。

武田ブライアン剛さんは「ウニを除去して理想としては(ウニを)商品化して、販売して金に換える」と言います。そこで、2016年にウニノミクスという会社を立ち上げました。

ノルウェーの水産研究所は中身がなくなったウニを陸上で育てる「蓄養」を行なっていました。「蓄養」を始めて5週間経ったウニを割るとオレンジ色の身が。10週間経過すると身がぎっしりになりました。

武田ブライアン剛さん(左)は2016年にウニノミクスを立ち上げた

実現のカギとなったのが日本で作られたエサです。日本産の昆布などから作ったエサを与えることで、おいしいウニに復活するというのです。武田さんは「一番ウニがおいしい味になるのは日本の昆布」と言います。

このウニノミクスを始めたきっかけは、東日本大震災でした。震災後、宮城・南三陸町では復興に向けて動きだしたものの、磯焼けが問題になっていました。それを解決できないかと、武田さんは2013年から現地でウニを駆除して蓄養する実験を開始しました。

地元漁協や飼料会社と組んでエサとなる飼料を開発したのです。そこにノルウェーの蓄養技術を組み合わせて仕組みを作りました。

ウニノミクスが成功するためには、世界中の人にウニを食べてもらうことがもうひとつのカギです。

日本産の昆布などから作ったエサを与えてウニを復活させた

しかし、ノルウェーではウニを食べる文化はありません。日本食は人気ですが、世界ではウニを食べる人は少ないのです。そこで日本で修行した経験のあるシェフが腕をふるいます。ウニの軍艦巻きを食べた客は「いけるね、奥深い味だね」と好評です。

武田さんは「ウニノミクスの根本は環境を改善するため、継続するには採算の合う商売がバックにないと形にならない。金がちゃんと漁業者や環境保護団体にも回り、藻場が回復するビジネスになれば」と話しました。

この映像と記事はテレビ東京「未来世紀ジパング」(2019年3月20日放送)の内容を配信用に再構成したものです。

(C)テレビ東京

[PlusParavi(プラスパラビ) 2019年6月7日付記事を再構成]

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