4Kテレビ、販売台数の半数超に でもコンテンツ不足大河原克行のデータで見るファクト

また、新4K8K衛星放送を視聴したことがある人は、所有者による自宅での視聴や、量販店店頭での視聴を含めてわずか5.3%と、国民の関心が低いことが浮き彫りになった。

A-PABの福田俊男理事長は、「2019年1月の時点では、上々の滑り出し、あるいはまずまずの滑り出しとしていたが、それ以降、受信可能機器の販売台数が足踏み状態となり、少し気をもんでいる」とし、「番組の充実や魅力の向上、機器のラインアップ強化によって、視聴者の選択肢が広がる。4K/8K放送の素晴らしさを、より多くの人に訴求する必要がある」と危機感を募らせる。

コンテンツの充実が望まれる

4K普及のカギを握るのは、やはりコンテンツだといっていいだろう。

新4K8K衛星放送でも、実はすべての時間帯で4Kや8Kの放送を流しているわけではない。

ピュア4K放送は、民放4局合計で、全放送時間に対して、2桁の構成比に達したところだ。ゴールデンタイムに限定すると、5割以上をピュア4Kコンテンツとしている放送局が2局あるという。

このように、4Kコンテンツ自体、まだまだ少ないのが実態である。

キラーコンテンツになるとの期待が集まっているのが、2019年9月20日~11月2日までの期間で開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会である。NHKが、開幕戦の日本対ロシアをはじめ、6試合を4Kで放送。決勝戦など3試合を8Kで放送することを決定。J SPORTSでは、全48試合を、4Kによる生中継を行い、スカパー!などで配信。さらに、BS日テレも、ラグビーワールドカップにあわせて、当初予定の2019年12月の放送開始時期を、2019年9月に前倒しすることが発表されている。

日本が勝ち上がっていけば、新4K8K衛星放送の広がりにもつながると関係者は期待しているところだ。消費増税前の駆け込み需要とあわせて、普及を狙っている。そして、これがうまくいけば、2020年の東京オリンピック/パラリンピックでの4K普及につながるともくろんでいる。

また、2020年12月には、WOWOWが新4K8K衛星放送を開始し、11局から19チャンネルが放送されることになり、これに伴いコンテンツの充実が図られることになる。

ただ、現時点では、「録画したいと思う番組が少ない」という声もあがっており、コンテンツの魅力を発揮できていない反省が業界内にはある。

さらに、地デジやブルーレイのフルHDの映像も、4K相当の画質で視聴できる4Kアップコンバート機能を、テレビメーカー各社が訴求していることも、4Kコンテンツの普及の足かせになっているとの指摘もある。

動画配信サービスや衛星放送の4Kコンテンツを、量、質ともに充実させることができるかが、4K視聴の普及の鍵になる。

(ライター 大河原克行)

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