100歳までの収支を見える化 老後破産を避ける道

日経ウーマン

2019/6/20

【3】2人の子持ちでも大丈夫!納得人生シミュレーション

2人子供を産んだら老後破産一直線…そんなことはない!

子育ては「お金がかかる」イメージだけれど、具体的な負担をリアルに計算した人は少ないはず。見える化すれば、子育てと両立できる自分らしい人生も描けます。

経済的な不安から子供を諦める人も少なくない現代。「1人につき数千万円」ともいわれる子育て費用は確かに重い負担だが、それでも大半の家庭は破綻せずに暮らしている。それなら、ライフプラン表を作れば安心できるかもしれない。

37歳で第1子、39歳で第2子出産という、やや「晩産」の設定。2子とも0歳から保育園、高校までは公立、大学は私立文系に行かせる想定プラン

「ずっと会社員プラン」は、現実的な人生の一例だ。夫のほうが当初の年収が少ないのに、子供の誕生後は妻が仕事をセーブし、子供は2人とも私立大学に─そんな前提でも、100歳時点で400万円ほどを残せた。



■このプランの人生設計

【住まい】35歳で頭金300万円、ローン2700万円(金利1.5%、35年)で郊外にファミリーマンション購入
【働き方】妻は第1子誕生から第2子の小学校卒業まで時短(年収240万円)、その後フルタイムに復帰(年収300万円)。夫は今の年収のまま65歳の定年まで働く
【生活費・保険など】家賃以外の日常生活費は月23万円(子供独立後は2割減)、予備費に年5万円。60歳まで生命保険など月1万5000円

子供2人を前提に家を購入。子育て期は妻が仕事をセーブし、第2子の中学進学と同時にフルタイムに復帰も、以前の収入には戻らず。退職金も年金も慎重に見たこのプランで400万円以上残るので、海外旅行など家族の思い出づくりもできそう。

ここからさらに、教育費は減らさず、夫は少し早く60歳で退職、妻は好きな仕事で独立という、ややむちゃにも思えるプランも立ててみた。現役時代に若干の節約と副業を頑張れば、なんとか100歳まで貯蓄が持つ計算に。「早めの準備を怠らなければ、子育てとやりたい仕事との両立は不可能ではありません」(佐藤さん)。



■このプランの人生設計

【住まい】60歳まで月12万円の賃貸、子供の独立後の61歳で夫婦どちらかの地元に1500万円で中古住宅を買い、1000万円でリフォーム。民泊対応の家に
【働き方】40歳で妻は月3万円、夫は月7万円弱の副業開始、第2子が中学に入ったら妻は会社を辞め、副業を本業(月15万円)にし70歳まで。60歳で夫も早期退職。その後は年50万円の民泊収入が10年間
【生活費・保険など】月の日常生活費は節約して20万円に抑え、地方移住後は15万円に。60歳まで生命保険など月1万5000円
【資産運用など】iDeCoに60歳まで月2万円ずつ拠出。移住時に100万円で車購入、71歳時に100万円で買い替え

妻は授乳が終わった頃から趣味を生かした副業を始め、起業を目指す。夫も早期退職に備えて副業で収入を増やす。「老後に複数の収入源があるとリスクが下がるため、民泊可能な家を持つのは手です」


この人に聞きました

佐藤麻衣子さん
ウェルス労務管理事務所代表/社会保険労務士/CFP。1981年生まれ。信託銀行勤務などを経て2015年に独立。多様な働き方の導入を支援する人事労務コンサルティング、ライフプラン研修・確定拠出年金投資教育サービスを提供。著書に『30代のための年金とお金のことがすごくよくわかって不安がなくなる本』(日本実業出版社)。

(取材・文 臼田正彦)

[日経ウーマン 2019年3月号の記事を再構成]