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心筋梗塞リスク、腕立て伏せ回数で予測可能? 米研究

日経Gooday

2019/6/27

腕立て伏せの能力で、将来の心血管疾患のリスクが予測できる?写真はイメージ=(C)auremar-123RF
日経Gooday(グッデイ)

米国の男性消防士を対象に行われた研究で、一定のペースを保ちながら腕立て伏せができる回数が多い人ほど、その後10年間の心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)の発症や心臓突然死のリスクが低いことが明らかになりました。一定のペースで行う腕立て伏せが連続で10回以下しかできなかった人に比べ、41回以上できた人では、その後10年間の心血管疾患発症などのリスクが96%も低くなっていました。

■心肺持久力の簡便な指標として「腕立て伏せ」に注目

心筋梗塞や脳卒中に代表される心血管疾患は、世界各国で主な死因の1つになっています。喫煙、高血圧、糖尿病などは心血管疾患のリスクを高める危険因子であり、反対に、運動はリスクを低減することが知られています。

これまでに行われたさまざまな研究では、主に質問票を用いて参加者の運動量を調べ、心血管疾患との関係を調べていました。しかし、調査後にトレッドミルを利用した運動負荷試験などを行って、客観的に心肺持久力[注1]を評価してみると、自己申告された運動量から推定されるよりも低かった、という報告がありました。

こうした客観的な検査は、専門家を必要とし、コストが高く、時間を要するため、一般の人が受けられる機会は限られています。そこで米ハーバード大学公衆衛生大学院のJustin Yang氏らは、心肺持久力の代替指標として、腕立て伏せ能力(一定のペースで持続可能な回数)が役に立つのではないかと考え、その後の心血管疾患などの発生との関係を調べました。

対象となったのは、米インディアナ州内10カ所の消防署に勤務していた18歳以上の男性消防士1562人(平均年齢39.6歳)です。腕立て伏せは、1分間に80回のペースで、メトロノームの拍子に合わせて実施しました。実施中はスタッフが監視し、(1)80回になるまで、(2)メトロノームに合わせられなかった回が3回になるまで、(3)疲労または他の症状(めまいや胸痛、息切れなど)により本人がやめるまで――のいずれか一番早い時点までカウントしました。

同時に、最大下運動負荷試験(有酸素能力を極限まで発揮させる最大運動より低い強度で負荷をかけたトレッドミル検査を行い、心肺機能を評価する)も行いました。

登録された1562人のうち、腕立て伏せに関するデータが得られた1104人を今回の分析対象にしました。腕立て伏せができた回数に基づいて、参加者を5つのグループに分け、その後10年間の心血管イベント(心筋梗塞・狭心症・心不全の発症、心臓突然死など)の有無を調べました。

■腕立て伏せの回数が多いほど心血管イベントリスクが少ない

分析の結果、腕立て伏せの回数が多い人ほど、登録時点の心血管疾患の危険因子(BMI、血圧、総コレステロール値、LDLコレステロール値、中性脂肪、血糖値など)の数値が低いという、逆相関関係があることが分かりました。

[注1]心肺持久力が良好な人では、心肺機能が効率的に働いて、たくさんの酸素を体内に取り込むことができる。

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