『ザ・ファブル』でのシーン。バイト先のオクトパス社長役の佐藤二朗さんと。(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会

素直で優しい「幸薄ガール」を好演

6月21日公開の出演映画は、南勝久氏の第41回講談社漫画賞一般部門受賞作を岡田准一さん主演で実写化した『ザ・ファブル』だ。「1年間、一般人として生きろ」と指令を受けたすご腕の殺し屋・ファブルを主人公にした、ユーモアあり、アクションありの娯楽作だ。山本さんが演じるのは、ファブルにアルバイト先を紹介する清水ミサキ。素直で優しく、父親の借金返済と病気の母親のためにバイトを掛け持ちする「幸薄ガール」だ。

バイト先の1つが、デザイン会社の「オクトパス」。「オクトパスのメンバーと色んな話ができて楽しかったです。みんなで恋愛の話をしてたりしてたんですが社長役の佐藤二朗さんに『おまえは二次元しか愛せないんだよ!』と言われたりしました(笑)」

「最近、その『幸薄ガール』って言葉をよく宣伝文句で見ますね(笑)。でも私は『幸薄』と思いながら演じていたわけではなく、素直にミサキとして生きていたので、見るたびに『そうだったんだ~』と思います(笑)。

ミサキは、優しくて、いい子すぎて、人にだまされやすい。だから生活も大変なんですけど、そこを強調して、かわいそうなキャラクターとして演じるのは違うなと思いました。だから楽しいシーンでは楽しく、笑うシーンではきちんと笑おうと。その方が、自然にかわいそうに見えるかなと考えていました。

演じる上で印象に残っているモノは衣装で、ミサキはランニングしているときの衣装も、その一切着崩さない感じが、まじめなミサキっぽいなと思いました。

それから印象に残っているのは、劇中で登場するミサキの写真集。別日をとって、スチールカメラマンの方に撮っていただいたんですよ。表紙と裏表紙と、中面も撮ったのかな? けっこういろんな設定で撮りましたね。

女の私からすると、男の人がどういう写真をセクシーに感じるのか、分からないんですよ。だからみなさんに教えてもらいながら、最終的にはすてきに仕上げていただきました」

『ザ・ファブル』では、主演の岡田准一さんに刺激を受けたという。「岡田さんみたいなアクションは、これからどれだけがんばっても私には絶対できないと思います(笑)。でもお芝居に対するストイックな姿勢は見習いたいと思いました」

『ザ・ファブル』では、主演の岡田さんが「ファイトコレオグラファー」も兼任して本格アクションを見せる。山本さんにも、走ったり逃げたりのアクションがある。

「走りながらセリフを言うシーンもあったので、体力作りをして臨みました。実は昨年、ドラマで坂を駆け上がるシーンがあって酸欠になってしまい、大変だったんです。だから今回は何回撮り直しても大丈夫なように準備をしたんですけど、結果、そこまで走らなかったので大丈夫でした(笑)。ただ、網タイツとヒールで走ったり、はいずり回ったりしなきゃいけないシーンもあったので、大変でしたね。

原作には男臭いイメージがあるかもしれないですが、完成した映画は、映像や音楽がオシャレです。真夏の暑い中で撮影したのに汗臭い感じが全然なくて、アクションもキレイです。女性が見ても楽しめる作品だと思いますので、幅広いみなさんに見ていただきたいです」

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