夏の外遊びにGO 水陸両用、走れるシューズサンダル
この夏履きたい高機能サンダル(下)
一口にサンダルといっても、以前と異なり、素材や構造にさまざまな工夫を凝らした製品が登場している。2019年注目のサンダルを取り上げる特集、第3回は靴のような感覚で履ける「シューズサンダル」。アッパーが足全体を覆い、かかとまで固定されているため、走れるほど足にフィットし、アウトドアアクティビティーにも対応する。
靴内部に入った水を効率的に排出
長年にわたり水辺で遊ぶためのシューズを展開し続けてきたメレル。2019年春夏の新作となる「CHOPROCK(チョップロック)」シリーズにも、そのノウハウが蓄積されている。
靴内部に入った水を、ミッドソール側面から排出する独自技術「ハイドラモーフ」を採用。インソールとミッドソールに排水孔を設けることで、すばやい水抜けを実現している。通気性のよいアッパーは速乾性にも優れた素材のため、水の中に入ってもすぐに乾く。
アウトソールにはイタリアの靴底メーカー、ビブラム(Vibram)社製の「ビブラム メガグリップ」を採用し、ぬれた路面でも滑りにくい。ハイキングシューズとウオーターシューズの機能を融合した、さまざまなアウトドアアクティビティーに対応する1足となっている。
メレルでは、シューズとサンダルの特性を兼ね備えた靴タイプのサンダルを「シャンダル」とネーミングして展開中。「シャンダルの需要は、ここ数年で一気に増加している」(メレルを展開する丸紅フットウェアのブランドマーケティング事業部PR、田中祐介氏)。沢や川でのアクティビティーを楽しむユーザーからの支持が非常に高く、岩場で釣りをする人たちからも好評だという。安全面が評価され子ども用のシャンダルも売れているそうだ。
「今期のCHOPROCKシリーズの受注は、前身となるTETREXシリーズと比べて約140%増」(田中氏)。家から履いて出られて、そのままハイキングも沢遊びも安全にでき、すぐに乾くため快適に帰宅できる。この便利さも人気の理由だろう。
スリット入りアッパーが快適
2014年春夏に初めて登場した「キャニオンサンダル」。当時のモンベルには、かかとや甲をしっかりホールドできるサンダルがなかったが、カヤックガイドやモンベル愛用者からの「脱げにくいサンダルを作ってほしい」との要望を受けて発売したという。
硬さのあるEVA(合成樹脂の一つ)素材を使用。アッパーにスリットを設けているため履き心地も涼しく、水だけでなく砂・泥はけにも優れている。ストラップでフィット感も調整可能。屈曲性が高いので歩きやすいのも特徴だ。
一般的なサンダルとは違い、アウトソールには優れたグリップ力を発揮する、耐久性の高いラバーソールを使用。水辺でも滑りにくいので、河原でのキャンプや磯遊びなど夏のアウトドアシーンで活躍する。
「売り上げは好調で、4月から徐々に伸びて7月中旬にピークを迎える見込み」(モンベル広報部、長井洋高氏)。水辺でのアウトドアレジャーから、カヤックやラフティングなどのウオータースポーツまで広く使用されており、購入者の年齢層も幅広いという。
タウンユースとしても人気
キーンの「ユニーク」シリーズは、2本のポリエステルコードを立体的に編み上げた、独特なアッパーが最大の特徴。このアッパーは手編みによるもので、足の動きに合わせて変形し、締め付け感はないのにどんな足型にもフィットするという。
足をしっかり包み込む、太めのフラットコードでアッパーを編み上げた本モデルは、シリーズの中でもフィット感が高い。PU(ポリウレタン)素材のフットベッドは、足裏の形に合わせて立体成型されており、足に吸いつくような履き心地を持つ。ミッドソールには高反発素材を採用。クッション性にも優れ、通気性とフィット感を両立した歩きやすいシューズに仕上がっている。
「夏がもっとも需要が高まるが、タウンユースでの支持が多く、春先から秋までロングシーズンで人気がある」(キーン・ジャパン マーケティング部広報の種田聖子氏)。ファッション性も高く、「ソックス履き」しても違和感がないため、タウンユースやトラベルシーンで愛用するユーザーも多い。「ビーチでぬれても気にならず、そのまま街にも出られる」「走れるほどフィットして、履き心地がとてもいい」と20代から60代まで幅広い年齢層に支持されているという。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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