マネー研究所

定年楽園への扉

知らず知らず上から目線 定年地域デビューの落とし穴 経済コラムニスト 大江英樹

2019/7/11

ところが地域のやりとりとか付き合いというのは、必ずしも共通の利害のあることばかりではありません。住民たちの間では利益が相反することもあります。そこで必要なのは合理的に、そして効率よく結論を出すことではなく、合意のプロセスが大切なのです。そこに至るまでに不満を聞いてあげたり、共感したりしながら、最後は多少不満があっても丸く収めるということが要求されます。でもビジネスを中心にやってきた人は案外これが苦手なのです。

■新参者は謙虚さが大切

逆に地域でずっと専業主婦をやってきた女性に話を聞いたこともあります。その彼女は「あの人たちって自分たちが子育てしながら働いてきたという自負があるんでしょうね。何だか私たち専業主婦に対してちょっと上から目線のところを感じるのよね。まあおじさんなら最初からそんなものだと思っているから気にしないけど、同じ女性でそんなふうに対応されるとちょっと気分が悪いわ」と言います。

どちらの意見もそれなりに一理あります。ただ、2番目の女性の方がおっしゃっていたように、相手が男性だと仕方がないと思えることでも、女性であるがゆえにストレスを感じるということがあるのかもしれません。でもこれは男だから、女だからということは関係なく、どちらも今までの自分たちのやり方やスタンスでしかやろうとしないことに問題があるのではないかという気がします。どちらが悪いという問題ではありませんが、少なくとも自分が新しい世界に入ろうとするのであれば、常に腰を低くして謙虚にした方がいいというのは男も女も同じようです。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は7月25日付の予定です。
大江英樹

野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/

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