
「抹茶ビール」とお茶料理の組み合わせを楽しむのもこの店ならではだろう。ビールに合わせるならやっぱり肉料理ということで、メニューにはお茶を使った肉料理も充実している。最も人気のあるメニューは「1899 オリジナルお茶ソーセージ 緑茶・番茶・紅茶(各800円・税込み、3本セット2200円・同)だ。
「緑茶・番茶・紅茶の3種の茶葉を練り込んだソーセージなので、ハーブのソーセージを想像してもらうと近いでしょうか。お茶ソーセージは茶葉をどのくらい配合するかの見極めがとても難しく、試作から完成するまでに数カ月かかりました。茶葉を入れすぎると舌触りが悪くなるし、少なすぎるとお茶の味がわからなくなってしまうので、製造者の方とも相談しながら良い配合を見つけ出しました」(山口さん)
確かに、茶葉の種類によってもソーセージの味が変わるから面白い。ビールと一緒に、セットで食べ比べてみてほしい。
表面がうっすらと緑色の変わった肉料理は「大麦牛の煎茶ローストビーフ(1800円・税込み)。焼く前に肉の表面に煎茶の茶葉をたっぷりまぶし、低温でじっくり焼き上げる。食べるとほのかにお茶の香りが広がる。

「抹茶ハイボール」には「鶏の唐揚げ抹茶マヨネーズ添え」を合わせる。これを店では「抹茶のハイカラ」と名付けたそうだ。ハイボール+唐揚げで「抹茶のハイカラ」だ。ネーミングにも遊び心があふれる。
もうひとつ面白いメニュー名の食べ物が「彩り野菜の茶~ニャカウダ(1480円・税込み)」だ。こちらは名前から想像できる通り、お茶風味のバーニャカウダだ。緑色の抹茶ソースは、豆乳とチーズをベースに、隠し味にカツオの酒盗が入っており、クセになる味わいだ。
「世間では若者のお茶離れということが言われていますが、お茶は良い面もたくさん持つ飲み物です。豊富なカテキンが含まれますし、香りでリラックスできます。この店がお茶に興味を持ってもらうきっかけになればうれしいですね」(山口さん)
思わずSNS投稿してしまいそうなアイキャッチ度抜群の飲み物と料理の数々。でも見た目だけでなく、味はこだわった本格派。「抹茶ビール」やお茶料理でほっこりなごんでみよう。
(日本の旅ライター 吉野りり花)