ミキモトの昔のカタログを見せてもらうと明治、大正、昭和初期まで、帽子につけるピンなどで男性も真珠に親しんでいたことが分かる。現代の男性だって、ちょっと大胆なものに挑戦できるような気がする。そこで斉藤さんが携えてきたのが大きめのブローチ。ダイヤと真珠の組み合わせがゴージャスだ。
幸福の木と呼ばれるこのブローチは発売から50年以上たつロングセラー。デザインモチーフはサンゴなのだが、購入した外国人から「このブローチをつけると幸せになる」との手紙をもらい、幸福の木と呼ばれるようになったという。「たとえばビジネス上のフォーマルな席に合わせては。男性にもこんな華やかなブローチが似合うということを伝えたいですね」。男性が大きなブローチをつける場合は、直線的なデザインのものを選ぶのがポイントだという。
■白のTシャツに黒蝶真珠の一連ネックレス
最近、ミキモトのインスタグラムで紹介された、ある外国人男性が話題を呼んだ。
ベースボールキャップをかぶり、リラックスしたセットアップのインナーは白のTシャツ。その胸元を飾るのは、80センチほどの黒蝶真珠の一連のネックレスだ。手首にも黒蝶真珠のブレスレットが輝く。その個性的な姿に、国内外のおしゃれ男子の視線がくぎ付けになったという。
プライベートで真珠をこよなく愛するというこの男性は、ニューヨークのファッションディレクターRiccardo Tortatoさん。真珠をより自由な発想でつけてもらおうというキャンペーンのストリートスナップに登場した。「私も昔から、黒蝶のネックレスはいいと思ってきました」という斉藤さん。ネックレスは少々ハードルが高そうだが、上級者向けとして解説していただこう。
「たとえば大胆なロングネックレスをするならば、こんなワントーンのスタイルがいいでしょう」。ファッションディレクターのRiccardo Tortatoさん同様、斉藤さんはスポーティーなセットアップに着替えて登場。首が詰まった黒のインナーを着て長めのネックレスを合わせてみせた。「男性がネックレスをする場合には、シャツのボタンを開けて素肌に直接つけるのではなく、インナーの上につけた方が品が良いですし、見栄えもいいですね」とアドバイスする。

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