Men's Fashion

「僕はユニクロじゃない」藤原ヒロシ、ブルガリと組む

トピック

ストリート系デザイナー、高級バッグに遊び心

2019.6.13

「ストリートファッションのカリスマ」といわれ、「フラグメント(fragment design)」としてデザイン活動を行うクリエーター、藤原ヒロシ氏がこのほど、ブルガリと組みバッグコレクション「BVLGARI×FRGMT」を発表した。ファッション業界では外部デザイナーを起用したコラボ商品の投入が盛ん。意外性のある人物の起用はブランドを活性化させるスパイスとなり、顧客の裾野拡大にもつながる。藤原氏にコラボ商品開発の背景やブランドビジネスの変化について聞いた。




■ブルガリを買ったこともなかった人が目に留めてくれたら

――これまで手掛けてきたルイ・ヴィトンやモンクレールなどとのコラボと、ブルガリとの取り組みとは何が違いますか。

「ラグジュアリーブランドは実は僕にとっては対極にあるもの。特にブルガリは、自分が着る服や、やってきたことなどからすると一番対極にあるものかもしれませんね。ブルガリの商品はこれまで持ったことがなかったですし、宝飾品でもバッグの革の品質一つとっても自分とは反対側にあった。だからかえってアンバランス感を出せて面白いかなと思いました。女性ものを作るのは初めてですし」

藤原さんはこれまでルイ・ヴィトン、モンクレール、タグ・ホイヤーなどとコラボに取り組んできた

――ブルガリの蛇のモチーフ「セルペンティ」の解釈やバッグに配したロゴがモダンで大胆。若い子を意識されましたか。

「若い子というか、違う層に訴えるといいますか。蛇の頭の留め具には稲妻のロゴを入れたりしました。(半分切れたようにみえる)BVLGARIのロゴは僕が服を作るときに、ロゴの上からポケットを縫い付けて、半分ロゴを見えないようにするやり方があり、その延長上です。デニムはブルガリからのアプローチもありました。ブルガリを買ったこともなかった人が目に留めてくれたらいいですよね」

ロゴが大胆に配された、ブルガリ初となるデニム素材のバッグ。蛇のモチーフには稲妻ロゴもみえる