岡本太郎「毒を持て」で養う決断力 仕事に使える文庫第2回 偉人が書き記した名著

「ニブイ人間だけが『しあわせ』なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに“歓喜”という言葉を使う。危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて“歓喜”なんだ」

現在の日本に元気がないとしたら、それは「しあわせ」を追い求めた結果なのかもしれない。「歓喜」を基準にすれば、人間も社会も元気になるものなのかもしれない。

是川銀蔵著『相場師一代』

最後に、決断力を養う本として、「最後の相場師」と呼ばれた是川銀蔵の『相場師一代』(小学館)を紹介したい。是川銀蔵は、さまざまな商売を経て、大阪の北浜で株の世界に入り、当時日本一の大金持ちとなった人物(長者番付1位)。

本書は著者の自伝であり、著者がどんな投資に挑んできたかが詳しく書かれた本だ。痛快、豪快な投資エピソードのなかに投資哲学が見え隠れし、読者に読ませてくれる。いくつか、本書中から教えをピックアップしてみよう。

「株式投資は、誰でも実力以上のものをやればとまどい、不安心理がつきまとう。それが失敗につながるのである」

「借金や信用はいかん、余剰資金で現物を買え」

「人が気づかぬところにいかに目を配り、人が気づく前にどれだけ早く行動しているか。買って、売って、休む。これが商売で成功する三筋道なのだ」

是川銀蔵のエピソードでもっとも衝撃的なのは、大恐慌の際、収入ゼロの貧困のどん底で、あえて3年間経済を研究するべく図書館通いを続けたこと。「うちのお父さんはどんな境涯に陥っても、必ず何年か後に頭を上げてきます」と信じた妻がいたからというのもあるが、やはり成功者は、普通の行動を取らないのである。

以上、いささか過激なものも紹介したが、「偉人」本を紹介した。ぜひ明日からの心のエネルギーに変えてほしい。他のおすすめ教養本は、以下にリストとしてまとめておくので、ぜひご覧いただきたい。

土井英司
1974年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。2000年にAmazon.co.jp立ち上げに参画し、同社最初のCompany Awardを受賞。04年に独立し、メルマガ「ビジネスブックマラソン」をスタート(現在、読者数5万4000人)。読売新聞、ベストセラーBookTV、ラジオNIKKEIでレギュラーを務めるなど、メディア出演多数。世界的ベストセラー作家、近藤麻理恵氏の育ての親としても有名。

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道をひらく

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価格 : 940円 (税込み)

稲盛和夫の実学―経営と会計

著者 : 稲盛 和夫
出版 : 日本経済新聞社
価格 : 566円 (税込み)

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