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IMF見明氏 本当の「男女平等」で経済に弾みを

日経ARIA

2019/6/17

■「男女平等」のスローガンは、経営者こそ掲げてほしい

見明 構造改革の鍵となるのは、4月から順次施行となった「働き方改革」ですが、忘れてはならないのが男性の存在です。ただ早く家に帰ることが重要なのではなく、女性が「育児も仕事も介護も全部やる」のでなく、家事のようなケア労働、アンペイドワークに男性も含めて従事してもらうことです。そのことで女性が働きやすくなり、財政を支える側の層が厚くなります。(※5)

羽生 急がば回れですね。

見明 IMF季刊誌『ファイナンス&ディベロップメント』の2019年3月号に、ラガルド専務理事が『今世界が取り組むべき緊急課題』という新しい記事(※6)を寄稿しています。それによると、ジェンダーギャップ(労働参加率、賃金格差等)を埋めればIMF調査対象国の約半数で35%のGDP押し上げにつながる、と述べています。労働現場に女性が加わることで、男性側も生産性が上がると言われているゆえんです。日本だけでなく多くの国で、女性という大事な資源を活用していくことが必要です。

羽生 IMFの新しい試算では、調査対象国中、男女平等の面で下位(半分以下)となった国々では、雇用の男女格差解消によってGDPが平均で35%増加する可能性がある、と。また増加分のうち7~8%ポイントはジェンダー多様性がもたらす生産性改善によるもの、とも指摘していますね。このような冷静かつ最新のデータ分析を見るにつけ、「男女平等」という言葉がフェミニストだけのものではなく、経営者こそ掲げるスローガンになれば、経済も文化も前向きになると思いました。詳しい解説をありがとうございました。

(※5)Miake, 2017 “Japan’s Lifetime Employment and Gender Inequality”
(※6)IMF『今世界が取り組むべき緊急課題: クリスティーヌ・ラガルド、ファイナンス&ディベロップメント2019』

(文 阿部祐子、羽生祥子=日経ARIA編集長、写真 鈴木愛子)

[日経ARIA2019年4月26日付の掲載記事を基に再構成]

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